グインサーガの69巻目を読んでみた
ガユスってのは、てっきりスカールに殺された魔道師がそうかと思ってたんですが、別人だったんですね。
- 作者: 栗本薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1999/12/01
- メディア: 文庫
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イシュトヴァーンに、かつて先代のマルス伯はじめ数千ものモンゴール兵を死に追いやったとの疑いが持ち上がった。それは真実であったが、トーラスで行われた審問会では、カメロンの巧みな弁舌によって一時は無罪へとことが進むかに思われた。が、アリの亡霊が現れたことで状況は一変。過去の全てが明るみに出たイシュトヴァーンは力づくで金蠍宮を制圧し、彼とアムネリスは決定的な破局を迎えるのだった。
おいてに帆かけて、シュラシュシュシュ~~~♪♪♪
なんて、歌って誤魔化せる展開ではない(汗)。まさに修羅場。昼ドラで云ったら親友の夫と自分の不義密通がばれる場面。もしくは、育ての親が実は肉親の仇だったと判明する場面。じわじわ予感はあったけれども、一気呵成に決裂のときはやって来てしまった。
この巻のMVPは何と云ってもアリストートス!殺された場面でわりとアリに同情的(え)だった自分としては、「よくぞ化けて出てきやがった!」てな感じ。しかし、亡霊にしてはちょっと物云いが生々しすぎたようなような気もするので、ひょっとしたら外部の力が働いた上でのアリの降霊だったのかもしれない。……逆に本人の執念のみで、あんな主観の偏った亡霊として化けて出たとしたら、とことん歪んでいたとしか思えない。さて、真実はどっちでしょう?
この巻でイシュトは狂王への階段を一気に3階層くらい駆け上がってしまったような気がするなぁ。モンゴール復興を目指してアムちゃんと共に戦馬を駆け巡らせた日は遠くなりにけり。諦念の境地に達したかに見えるカメロンが悲しい。それでもイシュトが可愛いから、老人が病身をおして訴えでた懸命の真実を強引に捻じ曲げようとしたり、亡霊が憑いたとはいえ武器も持たぬ文官を断末魔の血の海に沈める行為も平然と行えるんだろうけど(こう書くと皮肉みたいだなあ。いや、皮肉か)。
読み方、意味を調べた漢字。誣告罪。ぶこくざい。故意に偽りを告げる罪。