かんまんこうろうひ・はてなブログ編

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グインサーガの70巻目を読んでみた

 ファンはともかく、作者的には20年目で漸く王さまになったというのは想定内だったのか否だったのか。

豹頭王の誕生―グイン・サーガ(70) (ハヤカワ文庫JA)

豹頭王の誕生―グイン・サーガ(70) (ハヤカワ文庫JA)

 ケイロニア王に即位したグインは、その妻となったシルヴィアと甘い新婚初夜のひとときを迎える。その頃パロでは、ナリスのもとに反逆の志を等しくする者達が集まり、計画を煮詰めつつあった。またトーラスではモンゴールを制圧したものの、負の感情に苛まれるイシュトヴァーンの前に意外な人物が癒し手として現れていた。

 キタイの手先の亡霊に憑かれ操られているならNGだが、偶然憑依されているだけなら、パロ国王が霊にとり憑かれてはならないという規範があるわけではないので退位をせまるわけにはいかないって……そんなのアリ?というかカルファンの一件や、ヤンダルの気配がちらついていることからキタイの脅威は明白だろーが!何を今更寝言をつぶやいとるんじゃこ奴等は……。

 シルヴィアに「こうしよう。膝の上においで」と云うグインが萌え萌え萌え♪うーん、劇中の評判はどうあれ、このカップルはやっぱり支持したい。破局するところ、読みたくないよ~~~(泣)。しかし、タイトルはグインだけど彼の出番は最初の1/4のみ……というのはよくあることとして(^^;)、まずはいよいよ、いよいよ、いよいよ本当に!ナリスが動きだし(動けないけど)、即ちレムスvsナリスがついについに始まるんですねえ~~~。58巻で表明して10巻以上……というどころじゃない。遡れば、50巻過ぎでナリスが(天野さんの怖いイラストと共にw)パロの実権を握ってやると暗く宣言してから、いやいや、20~30巻頃でどーみてもレムスを国王として立てる気がさらさら無いと判明した頃から、いやいやいや!!!モンゴールと戦ってる頃にレムスを無視しまくっていた頃から、いつこうなるかと読者がずっとずっとずっとずっと待っていた展開が、よ・う・や・く……!とか云いながらまだ実際の激突まで2~3巻かかったりしてw。
 リーナスすらも毒殺すると云い切ったヴァレリウス。50巻(「闇の微笑」)ではまだ、「それだけは自身のアイデンティティにかけて出来ない」と云ってたのになぁ……(ついでにリギアへの「想い」も過去のものとなった模様。ちょっと寂しい)。グインへの使いとしてケイロニアに向かうことを断固として拒否もした彼。ひと時もナリスのそばから離れるのは耐えられないらしい。いつの間にそんなにのめりこんじゃって……(汗)。言葉では憎しみをぶつけておきながら、その実ナリスのためなら肉親(に等しい存在)も殺してみせるのがヴァレリウス。国際非難も免れない暴挙も残酷な所業もイシュトの為なら辞さないとしながらも、本当は自身の根幹としての武士道を捨ててはいないカメロン。対照的である、と思う。

 そのカメロンとイシュトヴァーンの過去について、ついに決定的な会話が。なんだよう……いっときカメロンはアリに「俺の感情に性的なものは一切無い!」と言い張ってたのに……同人誌を出して開き直ったか?>作者。アムネリスとの関係も一気に陰惨になっちゃった(泣)イシュトヴァーンの心の穴を埋めそうなのはまたしてもミロク教徒!しかも女の子。しかもしかもイシュトに目の前で父親を殺された張本人……どれだけお人よしの教義なんだw。しかし、そんなミロク教徒の精神が意外にイシュトと合うのかなあ。変にすれ違った結果イシュト王にとってミロク教そのものが憎くならなければ良いのだが。

 読み方、意味を調べた漢字。雛僧、すうそう。幼い僧のこと。怯儒、きょうだ。臆病なこと。看做す、みなす。馬部に付と書いて何と読むのか判らない。コピペできるページも見つからない。皇女馬付馬。26頁。コメント欄よりお教えいただきました。駙馬、ふば。貴人の娘婿のこと。ありがとうございました!