かんまんこうろうひ・はてなブログ編

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グインサーガの77巻目を読んでみた

 前巻でグインとハゾスの会話に登場した「ササイドン伯」って誰かと思ったw。

疑惑の月蝕―グイン・サーガ(77) (ハヤカワ文庫JA)

疑惑の月蝕―グイン・サーガ(77) (ハヤカワ文庫JA)

 アルド・ナリスのあまりに呆気ない死は味方ばかりでなく敵軍や諸外国にも衝撃を与えた。ゴーラでは新都イシュタールの建設に燃えるイシュトヴァーンがパロへの干渉を窺い始め、ケイロニアではマリウスが兄愛おしさのあまり一人黒曜宮より出奔してしまう。ナリスの葬列にヤンダル・ゾッグの手の者が襲い掛かるが、それを撃退したのはアグリッパ探索より帰還したヴァレリウスであった。

 ヨナが、全くもってかわいくない……。

 そりゃあ、栗本先生は冷徹上等!のキャラに萌えるのでしょうが、私にしてみれば「ヴァラキアでイシュトに縋っておいおい泣いてたあの日の少年を返せ~~~っ」ってとこですよ(泣)。一応ミロク信者ってことでヤヌス神殿から煙たがられてはいたけれど、もうミロク教からナリス教に改宗したといってもいいんじゃないすかね、ヨナは。ミロク様のミの字も云わなくなったし。
 今回の「※んだふり大作戦(爆)」はアムブラ弾圧編の逆構成になっている要素もあって、前回は企んだ側のヴァレリウスの視点から何も知らないリギアへの苦悩がふんだんに描かれていたが、今回はこれまた何も知らされないリギアの立場からヨナ*1に対する悲憤が描かれている(で、どちらも黒幕はナリス)。そのリギアです。ナリスと血縁以上の信頼関係にあるとしておきながら、いざコトとなるとまっ先に「騙すにはまず味方から」の対象筆頭wとなってしまう哀れな彼女(アムネリスとの結婚騒ぎのときはどうだった……かな?)。アムブラ編の頃は、とにかくヴァレリウスが可哀想で可哀想で彼女の鈍さに苛苛した展開もあったけれど、諸々を犠牲にしてでもナリスに捧げている忠節に対し、あまりにも軽く扱われているようで最近はリギアこそが不憫でならない。ヨナには明らかに見下されてるし……。でもリギアはあのスカールの眼鏡にかなった魅力的な女性なんだよ~。稀有なキャラクターなんだよ~。あんないい男(リギアを思いやる描写がまたかっこいいんだ……)に愛されて、リギアは本当に果報者じゃ(あれ?)。
 ゴーラパート。イシュトとカメロンに走った亀裂はもはや広がっていくしかないのだろうか?イシュトはナリスの死を知っても、嘆き悲しむ様子は殆ど見せずむしろこれを好機としてパロに付け入ることは出来ないかと考え始める有様。今のあんたじゃヤンダルに捻られて終わりだって。マルガで見せたナリスに対する敬愛ぶりも、もはや狂王へとひた走る道のりのなかで捨ててしまった?そして、ケイロニアパート。

 まりうすはぁ~ぐらちぃにつかまっていたときぃ~いちどでも~あにきのことをおもいだしていたとかそんなびょうしゃありましたっけぇ~(ぼうよみ)。

 先の偽造死の折に、旅先であわや後追いしそうになったって初めて聞いたぞ。どう見ても王宮での生活に馴染めずいた処にナリスの死の報が飛び込んできて、現状への不満が袂を分かったはずの兄への思慕の情として噴出したとしか思えないんだが。まあそれがマリウスだから、ということか(爆)?そのマリウスをロジカルにぶっ叩く(汗)ハゾスは逆にケイロニアのことしか考えてないって?近年のインターネットでも、八方美人に振舞うよりエゴイズムでも自国の利益を守るのが美徳という感じになってますからね……。イイんじゃないですかね、ハゾスはあれで。

 読み方、意味を調べた漢字。鬼哭啾啾、きこくしゅうしゅう。悲惨な死に方をした者の亡霊の泣き声が恨めし気に響くさま。また、それらしき気配が漂うこと。命旦夕に迫る、めいたんせきにめまる。命を終えるときが今晩か、明朝かという状況になること。老耄、ろうもう。もしくはおいぼれ。諧謔、かいぎゃく。おどけて滑稽なこと。

*1:ちなみにヨナも裏では皆を騙していることに苦悩……してるのかなw。