かんまんこうろうひ・はてなブログ編

はてなダイアリーとはてなブログの違いが全くわかりません

1974年の特撮ヒーロー番組のリメイク(2012年1月にほんのちょっと改訂)

 先週は休日が挟まれていたのもあり、なんと3回も映画館に足を運んでしまった。それも全て同じ映画を観に。
 作品の名は「電人ザボーガー」。ずばりB級です。

D

 当方昭和上等の特オタとはいえ、オリジナル版は生まれる前の放映で馴染み薄いし(主題歌だけは歌える)、試写会先行の噂によるとB級感全開だったということだし(監督は初めて名前を聞く人だったがそのテのキワモノ系で有名な人だとか)、評価はまっぷたつとか、観る人を選ぶ内容だとかどーたらこーたらで、直前まで鑑賞意欲は極めて薄く、たまたまレディースデーが重なる日に梅田に行く用事が出来なかったら、おそらくDVD化もしくは衛星放送でやるまで視聴は伸ばしていたかと思われたのが……。まあとんでもない大間違い!数年に1度出会うかどうかの劇場での幸福な興奮を逃がすところでした!確かに好き嫌いが分かれるダサい作風ではありますが、すごく燃えるし泣ける、感動もする大傑作!

 監督の意図というか話の肝は後半の熟年期編に比重が大きいし(終盤の板尾さんのセリフは感動するものばかり!)、オリジナルを観てた年代にへこそ生きる活力を送りたいという制作姿勢にも、当方は非ターゲット層ながら全面的に共感。でも、私が好きなのは前半プロローグの青年期編。主役の性格が熱血直情とか、後ろ姿でも判る凛とした佇まいとか、非常に「キッとした」眼差しとか、敵さんの前で大仰に見得を切りファイティングポーズをとるとか、「おのれ!許さん!」を連呼するとか、最近のヒーロータイムじゃとんと見かけなくなった熱い、暑苦しいとさえいえる(笑)人物造形が、一昔前のヒーロー大好きの私にとっては本当にたまらなかった!たまらなかったでーす(笑)!!!江角走輔の中の人が素晴らしくバカ級の大熱演なのだ。しかもかなりカッコイイ!!!先日のゴーカイジャー炎神前後編も見たばかりだったのに(よろいくん、笑)ゴーオンレッド*1の変身前はあんなにド美形だったっけか!?(←ドがポイントね、いやマジで)と正直思ったくらい。一方で、70年代ヒーロー独特の「何かが欠けた」雰囲気*2もあったりして(陰のある熱血と云うべきか)正義の欺瞞に疲れて、基地で独りザボーガーに寄り添い心の穴を埋めようとする姿に萌えることといったら!!!他にも青年大門ちゃんについては書きたいことは色々あるんですが、強いてひとつだけあげるならば、ネット上で話題(?)になってる洞窟のシーン……ではなく、そのもう少し前のお墓での「刺されと云われたから従ったまでだ!」はかなり好きな場面ですねえ。正義への迷いやら孤独の辛さやら目の前の相手への訳の分からない感情やら、いろんな気持ちが頭の中でわやくちゃになった結果、かなり無茶苦茶且つ本能的な対応を取ってしまったという……(爆)。相手の刃を、あんな部位で受け止めた(ユパ様だってあんな箇所ではやらないよw)というのは、ある意味その後のゴニョゴニョ一連(汗)より鮮烈な愛の受け止め方ではなかったかと。画的にもめっちゃ面白いしさあ(笑)。(しかし、よくもまあこの21世紀にお墓のど真ん中でアクションシーンが撮れたもんだと)。

 音楽についても少し。菊池俊輔による劇伴をそのまま使う(新録はしてる)のも大概卑怯やけど、子門真人のオリジナル主題歌を挿入歌として流すのは反則もいいところやろ!!!と。もう、これを書いてる今も主題歌及び、劇伴が頭の中をぐるぐると廻ってるんですが……チキショー!来週の戦隊魂までに治らなかったらどうしてくれる(^^;)!!!子門真人版はあくまで挿入歌であって、映画のOPとEDでは当時と同じ歌を新録したものを流すということで、おいおい大丈夫かというか歌う人は勇気あるな~wとも観る(聴く)前は思っていたんですが(ごめんなさい)、これはとんでもなく杞憂で、新録版も非常に上手くてビックリいたしましたわ!失礼ながら全然名前を存じ上げなかった方(高野二郎さんという方)が歌ってるんですが、本職はオペラ歌手だそうで2度ビックリ!ちなみにエンドロールでは音楽パーソネルに誰かさんのコンサートで見たことがある人たちが揃って名を連ねており、ちょっと不意打ちでしたw。むー昭和の劇判なんかもこなしちゃうとは、間口が広いなぁ。

 オリジナル当時に少年だった世代にお薦めとの意見がネット上には多々見られ、実際その通りであるとも思うけれども、別にストライク世代じゃなくとも、女性であっても(レディースデーにはおひとりさまの女性が幾人かいらしてましたよ……私もその一人w)、ヒーローものが好きなら、子門真人の歌が好きなら、菊池俊輔の音楽が好きなら、絶望から立ち上がる人々の物語が好きなら、絆が再生する物語が好きならば、普通にお薦めしたい、是非1度観てみて欲しい、そんな作品です。竹中直人のパートや洞窟の場面は賛否両論のようだけど、お話の基本がしっかりしてる上でのおふざけなので自分的には全然気にならない範囲なんですけどねぇ……。いいじゃん、そこに至るまでの経緯がきちんとしてれば、ちょっとくらい?面妖なラヴシーンがあってもさぁ。(あ、ネタバレしてもーたw)。

 そういや、タイトルになってるザボーガーについて全然書いてないやw。かっこいいのみならず、意外に可愛かった(笑)。拍手する姿とか、大門に促されて無理やり殴り合いに付き合わされるところとか。あと、被り物のはずのに、なぜか表情が見えるんですよ!「えっ」と驚く処とか、笑ったように見える場面が、本当にあるの!これにも萌えたね(笑)。

*1:単純お※カキャラの印象しか無かったから……びっくりした!覚えてたのは変顔で気絶するとか、ケーキに頭からつっこむとかの場面だし(酷)。

*2:ここらへんは、ザボーガー以外のピープロ作品のリスペクトかもしれませんね。