グインサーガの112巻目を読んでみた
- 作者: 栗本薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/02/01
- メディア: 文庫
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魔剣士マーロールをなんとか退けたグインは、遂にタイスからの逃亡を仲間と共に試みる。が、実はカメロンの間者であったスイランが、この機に乗じてスーティをゴーラに連れ去ろうとした為に計画が狂い、一行は追手に捕まってしまう。厳罰は免れたものの再び逃げ出すには非常に難しくなってしまった中、グインはスイラン改めブランとタイスを脱出するまでは協力し合うことを確認し、状況打開の時を虎視眈々と狙うのであった。
ブラン……職務に忠実なのはいいけれど、二兎を追う者はナントヤラだよ(汗)。
どうせスーティを拉致するならば、せめてタイスを脱出しきった後にしろよおおおおお!!!全ては、タイスという怪物から生きのびてからこそのものだねでしょーがよっ!せっかくグインと敵対しながらもカッコイイキャラクターなのに、その目論みはかなり前の方からボタンかけ違えちゃってますから!残念!まあここまでフラグを立てちゃった以上、グインが地下水路に落ちたりガンダルと対決しない以上はタイス編を終わらせるわけにはいかないのは瞭然なのでw、不自然に損な役回りをさせられたのは判ってますけど(爆)。
かっこいいおじさまといえば、ドーカスもかっこいいなぁ。伯爵の悪趣味言動がこれでもかと連発されるなかで(何回「小鳥ちゃん」って云うんじゃ!)、この人とグインのやり取りは本当に清涼剤だわ……挿絵も良かった。マーロールのような妖気漂うお兄さんは、お話を面白くする分には美味しいキャラなんだけど、私の好みではない(^^;)。「このままでは済まさない」とか云ってたけど、どんな奇策でグインに一矢報いるつもりなのか。あんまり大したことのない手口にはグインは引っかかって欲しくないのだが……。
というか、芸人たちはよくぞこのクムにやって来るよなぁ~と思うことしきり。ちょっと評判が良ければ、タイスからお声が掛かってしまって、行きは良い良いだけども帰りは……下手だったら殺されちゃって、伯爵に気に入られたら強引に色子にされちゃって飽きたら結局殺されるとか(汗)。普通に上手い人はそのまま帰されるのかもしれないけど、そこから噂が広まったりして……(帰ってこないのはもっとマズイよね)。普通、あれだけ領主が乱行しまくりでは、誰も彼も招聘を恐るあまり、タイス近辺、否クムでは興行なんぞとても行う気にはなれなくなると思うのだが(爆)。