かんまんこうろうひ・はてなブログ編

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グインサーガの119巻目を読んでみた

ランドックの刻印―グイン・サーガ〈119〉 (ハヤカワ文庫JA)

ランドックの刻印―グイン・サーガ〈119〉 (ハヤカワ文庫JA)

 治療の甲斐なく、グインの記憶は一向に戻る気配が無かった。ケイロニアからグインを迎えに来た使節団が到着し、いよいよグインの帰国は余儀なくされる。最後の手段として、古代機械とグインを接触させる措置を試したところ、なんと活動を止めていた筈の機械が突然作動し、強引にグインの記憶を修復してしまう。だが、グインは大まかな記憶は取り戻したものの、今度は古代機械やそれにまつわる一連の戦い、そしてスーティのことを忘れてしまっていた。

 えええーーーっ、また、ややこしいことになりやがったな……。覚えていることと覚えてないことが混在してるって、以前より面倒なことになったのでは?

 なんかランドックやアウラのイメージがイヤンな方向に変わってきたぞ……。以前、グラチーとの対決の際(「サイロンの豹頭将軍」の頃ね)に声が降ってきた時にはグインを「見守っている」頼もしい保護者な印象だったが。グインが望ましくない方向に進もうとすれば、都合の悪い記憶を消してしまうってのは子供をコントロールするモンスター親と同じでないかい。むー、グインサーガのクライマックスはイシュトとの対決のみならず、ランドックからの脱却も重要な要素になる筈だったのかな?
 生前のナリスとは秘密裏に古代機械の(わりと過激な)研究に没頭する間柄であったと語るヨナを、嫉視するヴァレリウスが可笑しいw。古代機械の間に閉じ込められてしまい、あわやこのまま餓死かとパニック寸前になるヴァレは実は閉所恐怖症だったのか?以前は監禁され拷問されてもわりと落ち着き払ってたのに……。内心ナリスの後を追いたい願望も持ち合わせていると思ったのに……。
 スーティについては対ゴーラの切り札にするとか、もうマリウスのことでは煩わされないとか、ヴァレリウスが頭を悩ませるあれこれについてピシャリと卓見を述べるハゾスが素敵。しれっと吐いた、実はのたれ死んでくれるのがケイロニア王家にとっては一番簡単という本音に同意してしまいましたよw。まあパロ血筋を死守したいヴァレがそれを許さないのは明らかなんだけど。でも、ヴァレもハゾスのポロリと漏らした底意に思わず賛同してたなw。