かんまんこうろうひ・はてなブログ編

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魔界水滸伝の6巻目を読んでみた

 北斗多一郎の手に堕ちた涼はスキを見て逃げ出すが、彼がさまようニューヨークは既に血で血を洗う無法地帯の様相を呈していた。一方日本では、人間が魚に変貌する奇病「ランド・シンドローム」の謎を追って、雄介の弟分・生島耕平が北斗化学の研究所に乗り込むが捕えられ、人体実験としてランド病患者の血を注入されてしまう。それでも脱出の機会を伺う耕平に、接触を試みてきたのは同じ研究所にて拘束されていた《鷺の姫》白鳥夏姫であった。

 涼くんて主役級のキャラじゃなかったのか……。雄介にくっついてるだけで出番が殆ど無いなwと思っていたら、敵に拉致され、あっという間に手籠めにされて、あまつさえ麻薬漬けにまでされちゃって……一応、作品の切り札的存在なんでしょ?ここからどんな逆転ホームランが飛び出るの!?!?

 ニューヨークの血みどろゴアゴア阿鼻叫喚も強烈だったが(新しいキャラがカッコよく登場したと思ったら次のページで生首になっていたでござる)、それ以上にランド研究所での人体実験が怖かった。麻酔なしで切り刻むとかの行為は一切無いけれど、研究員たちがランド病患者と言葉を交わしながらも彼らを一切《人間》とは見てはおらず、それがごく当たり前のように、只の研究対象《物》として扱っている処が……*1生島耕平がウイルスを注射されるシーンの、個人の尊厳がおだやかにかつあっけなく破壊される描写は生生しさすら感じた。この頃の栗本先生は読み手を突き放し、かつ感情を煽る文章がとても上手いなあ。

 3巻の冒頭以来、ちっとも出番の無かった白鳥夏姫さんは実は北斗一族に囚われていたということで久々の登場。鷺の姫モードの時は人間を見下すタカビーキャラだったのに、耕平に協力を持ちかけることでラブコメキャラにクラスチェンジしてるw>夏姫。久々登場の先住者というえば、そういや藤原華子さんも最近見てないぞ?

*1:と思ったら、次の巻に所長以下研究員たちは「人間じゃなかった」というどんでん返しがあって、逆にほっとしたくらい。人間同士ならまだしも、怪物→人間ならね。