かんまんこうろうひ・はてなブログ編

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魔界水滸伝の8巻目を読んでみた

 藤原華子さんが1巻の画廊以来久々に登場したが、ヒラヒラスカートのオールドミスからなにやら時代がかった言葉を使う蔦のうねうねお化け(実際妖怪なんだけどw)にグレードアップ。この人は作者の好みそうなブサイク系キャラだから今後もちょくちょく出てきそうだなー。そして襲われるばかりの涼はどんどん姫化していく……ww。

 加賀四郎を捕えた多一郎は彼に自分の陣営に加わるよう迫るが、加賀はこれを拒否、涼を連れて彼の下から逃げ出す。涼は取り戻されてしまうものの、なんとか加賀はクトゥルーに支配された街をくぐり抜け雄介の下にたどり着く。雄介の下にはかつて葛城一族に仕えていたカミンスキー少佐も合流し、葛城財閥の遺産である最新型潜水艦も雄介に譲渡される。雄介の禍津神軍団と葛城財閥が全財産を投げ打って作り上げた私設軍が合わさり、最強の人類軍団が創設されつつあった。

 加賀志郎先生が稀代の天才というよりクイズ王に思えてきたw。北斗=七、それに多一郎がつくから八なのでヤマタノオロチの化身って、すみません、(レギュラー出演してた)象印クイズの影響を多大に受けてるんじゃ……と正直思っちゃった。

 ラスボス多一郎とマイペース加賀の対決はなかなか興味を引かれる場面だったけれど、多一郎が涼を優先したためにあまり盛り上がらなくて残念。その涼を巡っては、ついに三角(四角?)関係まで勃発しちゃったよ!冷徹な社長(♂)の傍らに控える有能秘書(♀)が実は社長にぞっこん惚れていて、社長の情人(常は♀だが、今回は♂!)に嫉妬の炎を燃やしてついにはその情人に危害を加えようとする……王道!あまりに王道展開だっ!そしてこのパターンは、十中八九失敗して秘書は社長からしたたかに打擲されるまでが鉄板のお約束(汗)。秘書の茨木さんは次の巻で五体満足の状態で登場できるかしら……(正体は鬼だからちょっとやそっとでは壊れないと思うけど)。

 この巻ではクトゥルーの化物のエサ場と化したレストランの描写も印象的だった。捕食される人間たちはその恐怖を顔に出すことすら許されないって、食べられること以上に異常で(洒落じゃないよw)狂ってる。栗本先生は一見平和そうだけど、一皮剥けば恐怖に支配されているという街の描写が本当に好きだし、実際あの手この手で活写するのが上手かったんだなぁ。