かんまんこうろうひ・はてなブログ編

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魔界水滸伝の9巻目を読んでみた

 久々の更新になりました。

 ランド病に侵された生島耕平は人間として誇りある死を迎え、その恋人・夏姫も悲嘆のうちに鷺の姫としての永い生を終えた。北斗多一郎は祖母である女蝸の命令により《地這姫》藤原華子と婚礼をあげ、地上と魔界でそれぞれ《華燭の典》がくり広げられるが、一方で多一郎は涼に対する執着を強めつつあった。先住者が一堂に集まる《会》においては、クトゥルーの侵略を前にしても紛糾の絶えない妖怪たちの前に、人類軍団の総帥である安西雄介が降り立った。

 夏姫と耕平のエピソードは涙の悲恋で読んでて気持ちも盛り上がったけど、「グイン・サーガ」を読んだ後だからだろうか?正直、《初巻で主要キャラのつもりで登場させたもののあまり物語の主筋に入れ難いキャラクター》*1を、もっともらしいドラマをくっ付けて退場させてしまったようにも見えた……(耕平の登場って唐突だったし、夏姫の再登場はもっといきなりだったしw)。
 にしてもなんで北斗礼津おばあちゃんは、孫の多一郎を藤原華子さんとくっつけたがるかね。クトゥルーの迫る状況下、形からでも妖怪同士の結束を強めておきたいというところなのか。というわけで人間界と魔界、二つの世界でそれぞれ結婚式があげられたわけだけど、魔界の方は魑魅魍魎が集まるということで栗本先生大張り切りの(笑)サバト描写で、これは読んでて楽しかった。一方で人間界の方は北斗家と藤原家、極めてやんごとない家同士の婚礼ということでどんな感じになるのかと思ったら、なんと生贄(鶏)を捧げてその血でかための盃を交わすという……非常に簡素なるも儀式ばった式をあげててそれが妙に《格式》の重みを伝えてて。しかし、その重んじてみせた《格式》も、いやそれを支える人間社会自体も、次の巻でいよいよ崩壊しちゃうんですどねえ(^^;)。

*1:「グイン」には、居ましたもんねえ……あんな人とかこんな人とか(^^;)。