かんまんこうろうひ・はてなブログ編

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魔界水滸伝の7巻目を読んでみた

 雄介一行が羽田に降り立った時、富士山麓では夏姫が耕平を連れて北斗化学から脱出しようとしていた時、富士山が噴火し関東地方は大打撃を受ける。いよいよ古き者の侵攻が激しくなる中、みづちの長・北斗多一郎は、安西雄介こそが災いを引き寄せる《禍津神》ひいてはクトゥルーの尖兵ではないかと疑っていた。其々の思惑を抱えて対立する先住者達はクトゥルーの迎撃どころではなく、そんな中、雄介は郊外の山奥で弟・竜二と彼率いる最強の軍団とに再会する。

 実は先住者だった多一郎、この人こそが魔界水滸伝におけるアルド・ナリスだったのだな。

 クトゥルーの侵略を逆に利用して地球の覇者になりたい、すなわち世界の中で最も《先んじた者》で居たいってまんまナリス様だと思うのですがぁ。一方、雄介も実はただの人間ではなく、かといって先住者でもない禍津神・スサノオノミコトの転身であって、雄介の身辺のみならず、その弟・竜二の大学サークルに一癖もふた癖もある化け物軍団wがあらかじめ集まっていたのも、彼らは当初から雄介のもとに結集すると運命づけられていた存在だったからと……んー、強引な設定はあるが、辻褄は合っている(多分)。
 ナリスよりもはるかに堂々と(?)悪役ぶっている多一郎氏であるが、涼のことは本気で執着してしまったようで……これが今後多一郎のアキレス腱となるのかな?その涼は、初めて本性のような恐ろしげな一端を見せたが、やはりその正体は先住者たちをも圧倒する何らかの《超越的存在》なのだろうか。

 北斗グループの野望が明らかになったことによって、ようやく物語の(本当の)骨子が見えてきて面白くなってきた……ような気がするw。多一郎の野望がどんな風に帰結するのか、クトゥルーの侵攻を受けて地球はどう様変わりするのか、結局涼はこの混乱のなかでどういう役割を果たすのか、私が気になるのはこの3点。