魔性の子(ネタバレ有)
- 作者: 小野不由美
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1991/09/30
- メディア: 文庫
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先日から引き続き「十二国記」シリーズ読破中。「風の万里、黎明の空」を読了した後、本編は一旦横に置き外伝へ。このタイミングで外伝にスライドしたのは(複数の意味で)間違ってなかったと読了後に認識。
いや~怖い。クラスメイトになりたくない女子の1位がスティーヴン・キングのキャリーなら、男子の1位はこの高里要だ。詳しい描写は避けるが、十二国記の世界観を知らなかったらきっと怖さ倍増だったに違いない。4~5階もある建物の倒壊をあっさり風味で描くのはこの作者と大島弓子くらいじゃない?そうでもない?
悩める教生・広瀬先生に思いっきり感情移入して読んでいた身としては、彼の行動の裏に隠されていたエゴが露呈しても「人間そんなもんでしょ。それがどーした」という感じですが、ラストのあまりにも素直な「俺を置いていくのか」は胸に突き刺さりましたよ。切な過ぎて。萌えすぎて。驍宗×泰麒よりも広瀬×高里が好きな私としては「スプラッシュ」みたいにラスト2人で海の彼方に消えてくれても良かったんだけどね。別に正編がある以上、そういうわけにもいかないか。まあ、この切ない読後感もそうそう味わえるものではないので。良い読書でした。あーまたこんな萌える読書に出会いたいものです。