かんまんこうろうひ・はてなブログ編

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人は皆、自身の「物語」を生きる故に咎人

英雄の書 上

英雄の書 上

英雄の書 下

英雄の書 下

 ブレイブストーリーもそこそこヘビーだと思ったが、この作品はさらに輪をかけてヘビーヘビー、大ヘビィ。ついでに読後感も「ブレイブ」ほど爽快ではない。これで内容が目新しかったらもう少し読み応えがあっただろうけど、テーマはスターウォーズと似通ってるし、何より「英雄」として生きる業の深さは20年も前に田中芳樹宇宙戦争ものの形をとって描ききってるじゃないかぁ!帰結するところが序盤から読める以上、兄貴の行方とかソラの正体のネタバレがあっと驚くものであれば……と思ったが、正直、予想の範囲内でした(^^;)。
 とはいえ、駄作だったというわけではありません。登場人物の心理の深みや主人公の少女が額の印の輝きとともに魔法を行使するシーンのカタルシスは流石です。ダーク色の強い「カード※※プターさ○ら」という趣です。格調高いジュブナイルの香気ぷんぷんの文章も健在です。