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グインサーガの111巻目を読んでみた

タイスの魔剣士―グイン・サーガ〈111〉 (ハヤカワ文庫JA)

タイスの魔剣士―グイン・サーガ〈111〉 (ハヤカワ文庫JA)

 半ば強制的に闘技場へ連れてこられたグインはタイスの剣闘士たちとの真剣試合を余儀なくされるが、誰一人としてグインの敵ではなかった。対戦相手の一人・ドーカスの誠実な人となりを見抜いたグインは彼に事情を打ち明けその協力を得ることに成功するが、一方でマリウスをはじめとする仲間たちとはバラバラになり、逃げ出すタイミングは完全に失していた。そして魔剣士マーロールが妖しげな剣技と共にグインの前に立ち塞がった。

 「わしの可愛い小鳥ちゃん」って(汗)。マリウス……あの世で兄上が泣いてるよ(多分)。

 すっかりタイス伯爵の情人として板についているマリウスw。一応この人キタイでユリウスにあんな辱めこんな辱めを受けるという過酷な運命も乗り越えてきた苦労人じゃなかったのかいっ……いつの間にかユリウス並、とはいかなくとも、それなりのテクニックを誇る色子でもあったということにされちゃって、ユリウス×マリウスは実はかなりお似合いの組み合わせだったのでは(^^;)?それとも、あの際にイロイロ仕込まれたのが今回役に立ってる(?)とか?イシュトヴァーンに「男娼」呼ばわりされて、ちょっとなよっとした風体だからっていくらなんでも可哀想……と本気で思いながら外伝の「氷雪の女王」を読んでいたあの頃が懐かしいわ(爆爆爆)。グイン、もうマリウスだけは置いていったら?
 表紙も飾っているのに何やけど、今更妖しげな「魔剣士」なんぞ出されてもなぁ……とは思わなくもないけど、結構楽しいんじゃないの?このあたり。相手が催眠術をかけてこようと南斗白鷺拳を使ってこようと(あの「飛鳥蹴り」ってモロまんまだよねw)、もう人外の存在でも無い限りはどんな強者でもグインが楽勝なのは今更なことなので*1、グインがどう勝つか、ではなく、どうあしらうか、と一種の余裕感を覚えつつこのタイス編は読み進めているわけだが(ドラゴンボール天下一武道会予選パートみたいw)それでもなかなかに引き締まった場面も出てきたりして、久々にグインのカリスマパワーが発動して頼もしい味方キャラが増えたり、戦いのなかでついに記憶の一部が蘇り自身が自身であることへの自信(洒落じゃないぞw)を取り戻したり、これはこれでグインの冒険譚としてはなかなかに読み応えがある(逆にグインが好きじゃない人は辛いだろうな……^^;)。あの「なんでも自分の思い通りになる」と思い込んでいる横暴伯爵がとっちめられるところも是非ゼヒ読みたいし。正体明かすのマズイんだろうけど、なんとなく「水戸黄門」的大団円を期待してしまうぞね。

*1:しかし、ガンダルとはどうなるかな?……仮にも辺境編の頃から名前は上っていたキャラだし