グインサーガの113巻目を読んでみた
もう一つの王国 グイン・サーガ 113 (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 栗本薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/04/01
- メディア: 文庫
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最強の剣士ガンダルと対面したグインはあくまで正体を気取られてはならぬと気弱を装いつつも、一方で、戦士としてガンダルと雌雄を決してみたいという気持ちを抑えきれずにいた。城の片隅に縛されていた公子の亡霊を斬ったグインはその地縛跡に地下水路に通じる落し穴を発見するが、地下に潜入した先で目撃したのは地底湖にて生活を営む水棲人達と、彼らの上に王として君臨するマーロールの姿であった。
な、なんか、思ってもみない方向に、風呂敷が広がり始めたような……。
マーロールがアルビノで、ちょっと俗世とかけ離れているような感じなのは、そういう理由からだったんですね。ここぞというところで精一杯の誠意を見せるのはグインの長所だけれど、うっかりマーロールに聞かれているとも知らず、半魚人たちにペラペラ全てを喋りすぎてしまいましたな、しかも6ページもかけて(爆)。マーロール、そこまで悪い人ではないようだけど……(あのスケベ伯爵の息子だっただなんて!)。ノスフェラスなりルードの森なり地下水路なりの、俗世では地獄のように恐れられている過酷な地でもそれなりの生活を営む者たちは存在しているなんて、《人間》って逞しいなあ!
いきなり幽閉された美少年公子なんて出てきたから吃驚したよ~、と思ったら幽霊だし、グインに斬られてあっさり成仏したし。地底王国(?)といい、いきなり紅鶴城のダンジョン化が進んでるなあ(^^;)。ラスボス(む、ラスボスはガンダルか?)のカエルの女神様の登場はまだか?
ガンダルは……えらく尊大に振舞っていたけれど、まだ本当の姿は見せてないって感じだなあ。外見的にも内面的にも。ダースベイダーみたいに兜を脱いだら、実はとんでもなく体も心も老いたジジイ!(それを禁断のドーピングで誤魔化している)だったりして……。ここまで来たら、グインはコイツと戦うしかないでしょう(笑)。にしてもグイン、これはタイス入りして以降殆どの場面にいえるが、怯懦を装うにしても本能的なプライドが災いして?それなりに落ち着き払って芝居を打っているので、全然弱虫にも情けなくも見えない(爆)。これは、あくまでカッコイイグインと賞賛すべきなのか、それとも芝居は大根と貶めすべきなのか(^^;)。それを思うとスイラン=ブランの演技力はなかなかのものだったんだナ。