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「湖底から来た吸血鬼」(91年刊)を読んでみた(読み返してみた)

湖底から来た吸血鬼 (コバルト文庫)

湖底から来た吸血鬼 (コバルト文庫)

 10冊目記念ということでシリーズ初の長編にして、悪役も記念編に相応しくクロロックの同格が登場!という展開であったが……この悪役が実は仮死から蘇ったばかりの死に体状態なので、クロロックと互角に渡り合うどころか余裕のない手負いの獣という感じで、あんまり物語に緊迫感は無かったのは残念。エリカたちを犯人ではないかと付け狙う、このテのミステリーものではお馴染みの刑事もクロロックの催眠術であっという間に心強い味方になっちゃうしw(クロロックの催眠能力ってかなりチートだよね)。
 湖底に沈んだ村とともに眠っていた死者たちが、近所の町に移り住んでいたかつての住民たちを呼び込もうとする今回のプロット。赤川氏の筆なので軽妙な調子になっているが、もしも小野※由美が同じ題材で書いていたら……かなりの本格ホラーになったんじゃないかと勝手に予想。というか、フラグの無かった人物が犠牲になる展開は「屍鬼」を思い出したので(こっちのほうが先なんだけど)。