「吸血鬼と切り裂きジャック」を読んでみた(94年刊行)
- 作者: 赤川次郎,長尾治
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1994/07
- メディア: 文庫
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というわけで前巻ではヨーロッパ旅行の真っ只中で、事件も未解決なのに何事も無かったように日本の話に戻っているという〈汗)。
- 女たらしの大学教授(エリカの大学にはロクなのが居ない……)が吸血鬼を気取って、女性たちに自分を取り合いするよう操った挙句彼女らを殺そうとするが、本家のクロロックに制裁される話。エリカもナンパされ(キスシーン有)、当初まんざらでもない反応を見せるのだが、いかんせん相手が悪人だったので哀しい結末に。エリカが自身を「独り身」であることを寂しく思う描写は前巻のドナウ編でもあったが、作者もそんな描き方をするならエリカの恋愛面にもっと突っ込んであげれば(?)いいのに。
- いじめられる女子高生になんと本家本元のジャックザリッパーの亡霊が取り付くという
作者の趣味全開な強引な話。80年前半に刊行された分では教育体制側の歪さに焦点を当てていたのが、90年代半ばのこの話では生徒側のいじめを取り上げたという点に時代を感じる。しかしテレビではいじめとヤクザの癒着までは描けないだろうなぁ……。 - 恨みを持って死んだ女性+彼女が操る水の恐怖。「泉のごとく」の2エピソードを足して割ったような内容だなぁ。超能力少女ネタ、悪霊ネタ、旅行ネタなどなんか使い回し感も強くなってきた〈汗)。あと、赤川先生は不倫ものでは圧倒的に男に厳しく女に甘いような。