「家畜人ヤプー」第5巻を読んでみた
- 作者: 沼正三
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 1999/07/01
- メディア: 文庫
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こうしてふたりはしゅじんとかちくになりましたが、すえながくしあわせにくらしました。めでたしめでたし。
何事にもすぐに影響され易い私wとしては、白人からの被虐・懲罰・汚物下賜を有難がるヤプーの姿に、現実世界での白人主催のあんなイベントこんなイベント*1で評価されてすぐに喜ぶ今日びの世の中を想起してしまいます。でも、作者はあくまでSMの願望としてこの物語を書いたのでしょうから、すぐに風刺に繋げたがる自分は、SMの世界に浸るには常識の汚染を受けすぎているのでしょう。深く考えてはいけない世界です、ハイ。
最後は唐突に終わってしまう感じのするこの話。麟一郎以外で唯一、細かく心理描写がなされたヤプー・カヨちゃんがどういう葛藤の中で子宮畜としての運命を全うしたのかはもう少し描いて欲しかったような気もします。彼女は受胎(?)したところで物語が終わってしまうけれど、このあと彼女は検尿倭人がその時を告げると自ら割腹(!!!)して赤子を取り出し、しかもその後も暫くは主人に仕え続け、その上で廃棄されてしまう運命にあるんだよね……。
*1:まさに今日行われているあの映画祭とか……数年前に日本の食文化を批判する映画が賞を取っている点に関しては、恐らくそれぞれが折り合いをつけているのでしょうが。