かんまんこうろうひ・はてなブログ編

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中島みゆき・夜会~元祖・今晩屋

 先週の話題になりますが、行ってきました。人生二度目のみゆき夜会。(いきなりお金の話題で失礼ですが)福沢諭吉さんが2枚も飛んでいく舞台でございます。しかし会場はほぼ満席。不景気は一体どこのお空の下の話なのでしょう……。以下ネタバレ。

 ……散々、他ブログで書かれておりますが、本当に本当に意味フ……ゴホゴホ!難解な舞台でした。つーか、物語?起承転結?そんなんありましたっけ?という感じ(^^;)。一応、「山椒大夫」を読んで臨んだお陰で、「十文字のしるし」とか「かむろ髪」とか「あんじゅさま」などの名詞に含まれる意味はなーんとなく飲み込めたし、ラストに登場する目隠しをした中島みゆきが、盲になった厨子王のママというのも判った。でも逆に言えばそんだけ。友人がパンフを買ってこなきゃ、安寿と厨子王の他に乳母の生まれ変わりも登場してるなんて全く気づかなかったし、みゆきさんの役柄もよく判らなかった(少年ぽい服装をしていたのでてっきり厨子王の生まれ変わりかと……本当は「暦売り」)。森鴎外読んでこなかった人、物語のベースが「山椒大夫」だとは知らなかった人、そして今回が人生初の夜会だった人は……2時間お疲れ様でしたと言葉をかけたいです(^^;)。2年前の24時着00時発はまったくまったーく予備知識無しで臨んでも、滅茶苦茶感動したんだけどね……。
 と、ここまでキビシーことを書いたわけですが、みゆきさんの歌は凄まじかったです(素晴らしかった、じゃないの。凄まじかった)。アノ内容の舞台で2時間眠くならずに居れたのは(←あ)、チケットの値段ではなくみゆきさんの歌声の所為です。特に舞台に横たわったまま歌う「ほうやれほ」とラストの「天鏡」と、何を想へばあんな歌声が出せるのか、と。タイトルにもなってる「今晩屋」とは、夜いらんかいね、いらんかいねと夜を売り歩く者の意だそうですが、まさに中島みゆきは歌声の中に夜の闇と暖かさをのせて我々の心臓へとズドンと贈りつけてくるのです。残念だったのは、せめて歌詞がもう少し聞き取れれば、劇への理解も深まったと思うこと。決してみゆきさん歌は歌詞がはっきりと聞き取れる類のものではないんだよね(^^;)。あと、みゆきさん本人でなくオケピのコーラスや他の出演者による歌のパートも結構あって、これはみゆきさんの歌唱で聴きたかった!という歌もあった。って、結局厳しい感想になっとるよ~w。
 演出はさすが2万円の舞台!(←しつこい)という感じで、1幕のラストの(安寿の執念を具現する様な)炎上シーンがみゆきさんの歌と相俟ってかなりのド迫力でしたが、更に2幕のラスト、その場面と対照させるかのごとく舞台一面に本物の水を滂沱と流す処はやられたー!と思いましたな。あれは天の涙だっんでしょうかね。それで旅人たちは赦された、と。

 再演されたら、おそらく観に行きますよ。友人は、もうイイや、って云ってるけど。つーか、もう少し内容が整理された再演版を観ないと気が済まないw!タイトルは「元祖・今晩屋」だし。続きあるんじゃないですかね、この舞台。