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グインサーガの32巻目を読んでみた

ヤヌスの戦い―グイン・サーガ(32) (ハヤカワ文庫JA)

ヤヌスの戦い―グイン・サーガ(32) (ハヤカワ文庫JA)

 モンゴールの残党と盗賊たちをまとめトーラスへ攻め上るアムネリスとイシュトヴァーン。数で優るクム軍は自軍の絶対的有利を疑わなかったが、イシュトヴァーンの活躍や援軍の到着等で戦況は二転三転する。やがてトーラス内で押さえつけられていた民衆の反乱や、寝返ったと思われていたメンティウス将軍の捨て身の行動により、流れは一気にモンゴールに傾くのであった。しかしその裏には遠くパロから魔道士を放って暗躍させたナリスの影があった。

 そりゃ先日まで敵だった国を臣下が勝手に援助?したとあっては、国王としては問いただすの当たり前でしょう。ナリスもナリスで言い繕いも出来るのに、レムスがなぜ彼の暗躍を知ったのか明かせない(カルモルの力で察知したんだよね?)のをいいことに、しらをきり通し、結果レムスはナリスが中原のパワーバランスを影から操作するのを知りつつ手も足も出せない状態に……。うぎゃー陰険ナリス!負けるな将来のパロの中興の祖!そして陰険なれども、なぜにナリスはモンゴールに手を貸す気になったのか?クムの勢いを抑えたい外交上の理由か?やはりイシュトヴァーンの存在が気に掛かっているのか(しかし単純に応援?するのでは、ヴァラキアに彼の存在を伝えた理由は?)?はたまた別の理由か。
 戦場の只中にいるイシュトはたとえ不利な状況下でもとても生き生きしている。戦いに身を任せている間はアリへの嫌悪も小マルス伯への後ろめたさ(気に入らないとか云ってた割には戦場で助けたり同輩として扱っているじゃないか)といった黒い感情も忘れていられるし。また、アムネリスにかける言葉も覚悟が入っていてカッコ良い(あの科白で彼女は完全におちたなw)。ふと昇りつめた「その後」について想いを馳せていたが、早く読みたいような読みたくないような。