グインサーガの51巻目を読んでみた
- 作者: 栗本薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1996/04/01
- メディア: 文庫
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ナリスの予後は極めて悪く、遂に右足を切断せざるをえなくなる。手術を終え一命を取り留めたナリスは、敵対していた魔道師ギルドの長カロン大導師とひそかに連絡を取り、キタイの《闇の力》に対抗するために手を結ぶ密約を交わすのだった。一方、アムブラに容赦のない弾圧を加え続けるヴァレリウスに対し、怒り心頭のリギアは徹底抗戦の構えをみせるのだが……。
うーむ、リギアってナリスの人間性をそこまで信じてたっけ!?黒竜戦役の頃は忠誠を誓いつつも心のどこかで「得体の知れない部分がある」などの観察眼をのぞかせる一面もあったような*1。「ナリス様が愛するアムブラの自由で平等な気風云々~」「こんなことナリス様が絶対にお許しにならない~」等々を滔滔とヴァレリウスに語る場面、ナリス本人に云ってやれよ!と何人が思ったことでしょう(爆)。というか、真実も明かせず痛罵される一方のヴァレリウスが可哀想で可哀想で……(涙)。
ここ数巻で判ったこと……ヴァレリウスってばかなりのM気質。しかも、自分から勝手に被虐的なドツボに嵌りこんでいってる……。おまけに加虐側?のナリスに対する憎悪も、根源的に心服している以上晴らすことが出来ないという絶望的なもの。もしもナリスがリギアをも……と想像する場面でこれまでにない狼狽ぶりを見せていたが(ご丁寧に巻頭カラーページの紹介付きでw)、「(命令されれば従わざるをえないから)それだけはイヤだ!」ということは、本人のなかでは「ナリス>リギア」は固まっているということだろうなぁ……(自覚しているかどうかは知らんが)。
*1:「クリスタルの反乱」の感想ではナリスと比べるとカースロンの方が人間味が感じられたんじゃないか?とか書いてる自分(^^;)