グインサーガの外伝14巻目を読んでみた
夢魔の四つの扉―グイン・サーガ外伝(14) (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 栗本薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1998/06/01
- メディア: 文庫
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グインが侵入した鬼面の塔こと鬼面神ライ=オンの体内はおそるべき異形が跋扈する超異次元であった。襲い来る妖魅や数々の怪異を、再合流したザザやウーラとともに切り抜けたグインは4兄弟の鬼面神のうち3体を倒すことに成功するが、残された最後の兄の鬼面神はグインへの復讐に燃え、雷雲神将ゾードを召喚するのだった!
グラチウスよりあんな魑魅魍魎どもを飼って?いるライ=オン兄弟のほうが、よっぽど凄い奴だと思うのだが(精神攻撃にしてもグラチーより遥かにグインを追い詰めてたし)。第1層を突破したものは何人も居たが。第2層を突破したものはこれまでに僅か3人のみって……一層の(弱点わかり易すぎだけどw)孤高の風情もあったサイクロプスのガドゥーより、二層のいかにも胡散臭さ全開の花の精たちのほうが難敵ってってこと!?ちょっと納得いかん。まあこのテのダンジョンに飛び込むのは9割方オトコなので、どうしてもハニートラップの効果が絶大になっちゃうのかな。グインの科白「美しい花を咲かせるためにこそ、大きな生贄を必要とする」。ううむ、重い。
三大魔道師、ヤンダル・ゾック、ランドックの神々をもはるかに超える?存在らしいキャラクターがいきなり登場。が、その姿はただのタコって(汗)……何が言いたいのかよく判らない問答をグインに吹っかけたかと思うとどこかにいっちゃうし。ク・スルフが名乗った「グレート・オールド・ワンズ」というのはクトゥルー神話が語源とな。訳すと起源的存在ということ?どこまで広がる世界観の風呂敷w。
グインが畏怖した一つ目の化け物は以前スカールがノスフェラスで観たものと同じものなのか、この「ホーリーチャイルド」はグインワールドの中でも最も手がかりが少ない謎ですな。ライ=オンがみせたランドック時代(?)のグインの幻影は当たらずとも遠からずといったところか。トワイライト・サーガでカルスが出逢った猫頭の女性との関連性も、栗本先生の中では出来上がってはいたんだろうなぁ……。