かんまんこうろうひ・はてなブログ編

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グインサーガの60巻目を読んでみた

ガルムの報酬―グイン・サーガ(60) (ハヤカワ文庫JA)

ガルムの報酬―グイン・サーガ(60) (ハヤカワ文庫JA)

 モンゴール軍はアリの仕組んだ行き掛かり上タルーと組みタリオ大公を討ったものの、その本心はタルーとともに在らず。そう表明したイシュトヴァーンとカメロンの後見の下、第3公子タリクがクムの新大公に即位する。その晩、軍事裁判の場に呼び出されたアリは、諸将軍らの前でこれまでの悪行を全て暴かれ、即座にその身にイシュトの刀が振り下ろされた。毒蜘蛛アリストートスは、死んだ。

 アリよさらば~♪アリよさらば~♪(←しょーもないネタでごめんなさいw)

 サーガ始まって以来の大悪役、とまで作者に評されたやつが遂に死んだ!ってのに、正直、全然すっきりしない……のは、当然ユラニア結婚式での殺戮劇やタリオ大公を討つに至った責任を、リーロや盗賊仲間たちの復讐という名目のもと、アリストートスに全部被せた上で処刑させていただいたからに他ならないけど。アリもなんであっさり殺されちゃうかな~。稀代の毒蜘蛛、闇に巣食う怨霊、との恐るべき災厄的存在……だったはずなのに最期は俗物的な妄想にふける小人物として死んじゃった。いつだったか軍神イシュトの刃にかかって死ぬならそれすら本望みたいな一筋縄にゆかない妄執ぶりも見せていたのに。死の直前にパロ宛てに出された密書……あれが、今後何かをかきまわす元凶になるのだろうか?いや、なってほしい!
 隙あらばイシュトをゴニョゴニョしたいとかいうアリのありきたりな妄想よりも、ひたすらモンゴールに頼る気まんまん、というかそれしか考えてないだろ!のタリクのお坊ちゃん根性というべきか、無自覚のご都合主義の方が個人的にはさぶいぼが立ってしまったw。またイラストの顔がアホっぽく描かれてるし……w。作中、自分の都合のいいところしか見ない嫌らしさは決して、タリクの専売特許ではないのだが……。