かんまんこうろうひ・はてなブログ編

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グインサーガの63巻目を読んでみた

 ……んー、そう。ネリイってそんなに嫌われてたの……大公家の中では最も国のことを考えていたのは彼女だったのに。もろもろ読みが浅かったばかりに最後の大公としてどころか、大逆の罪人として亡骸も辱められる結果に……(ちょっと同情)。

時の潮―グイン・サーガ(63) (ハヤカワ文庫JA)

時の潮―グイン・サーガ(63) (ハヤカワ文庫JA)

 ナリスの密書を携え草原地帯に飛んだリギアは数年ぶりにスカールと再会、熱く情を交わす。ナリスのレムスに対する反逆意思を知ったスカールは、その協力要請には難色を示すものの、マルガへ赴きナリスと面会することに同意する。一方、簒奪者ネリイより国を救った英雄としてアルセイスに迎えられたイシュトヴァーンは、実質上ユラニアの支配者として予想外の辣腕を振るい始めた。

 なんと30巻ぶり、リアル刊行時のスパンだとなんと十年以上ぶりのスカール再登場キタ━━━━(≧∀≦)ノ━━━━ !!!!!(前に登場した「白虹」asin:4150302359が刊行されたのはなんと昭和!)久々登場とはいえ相変わらず言動はカッコいいし*1、考え方も単純明快。この人が体も心も病みまくりのナリス(&ヴァレリウス)の懐に飛び込み彼らと対決する場面が早く見たいです(と思ったら次の巻はまたイシュトの話のなのねorz)。そのスカールと熱烈に愛し合うリギア。以前別れた際にはもっとクールな関係かと思っていたけど、まあとんでもない。めっちゃらぶらぶw。アムブラ弾圧編の頃はとにかくヴァレリウスが可哀想で、彼の苦悩に全く気付かないリギアの盲目ぶりが腹立たしく思えたけど(実はヴァレへの恋愛感情も絡んでいたと……えええーっw)、ナリスの都合によって蚊帳の外に置かれたり、かと思うといきなり運命共同体に引っ張り込まれたり散々振り回されるリギアも被害者だよなぁ、と今なら思える。そのままナリスはほっといてw二人で草原の彼方に消えてしまえば良かったのに。
 病身のスカールを治療にあたったのがグラチウス。病に落としたのがロカンドラスで治癒したのがグラチウスって……逆じゃなーい(^^;)?そのグラチーはスカールにノスフェラスの秘密について執拗に迫ったらしいが……なんでその場面がスカールの会話であっさり語られるのみで終わるんだーーーっ。どうでもいい場面は延々くどくど綴られるというのに。グラチウスvsスカール観たかった……。

 ここへきて予想外にも戦場の采配のみならず、なんとまつりごとに興味を持ち為政者として第一歩を踏み始めたイシュトヴァーン。モンゴールの将軍になりたての頃はとてもこんな姿は想像つかなかったが、いつの間やら軍議も政治にも興味を持つようになっちゃって(自由にしていいとなるとたちまち好きになるんだよねこの人は)、地位は人を成長させるというべきか、それとも政治も富国強兵の一環と悟り、さらに行動を狭める存在(アリやアムネリス)がもはや居なくなったことで、いよいよ隠れた才覚が開花し始めたか。

 読み方・意味を調べた言葉。「千鈞の重み」せんきんのおもみ、字の印象の通り。「桎梏」しっこく、くびきのこと。「酪」らく、飲むヨーグルトみたいなものか?「上臈」じょうろう、身分の高い人。ちなみに上臈はイシュトヴァーンがマルコとの会話で使った言葉。学が無いと自覚し、実際ところどころでボキャブラリーの貧困さを相手にカバーしてもらうこともある一方で、こんな言葉も使ったりもするイシュト。私淑なんてのも使用してましたな。ちょっと、イシュトの成長、要注目??

*1:全文引用は避けるが「頭に王冠をのせるということは、国民・歴史・世界に対しての責任をおのが頭に引き受けるということ」の台詞はシビレタ!