グインサーガの64巻目を読んでみた
本物のサウル皇帝は生前、グインよりイシュトのことを聞いて「そやつがもし目の前にいたらそんな地位を望むのはやめろと忠告したい」と云ってたんだが……。
- 作者: 栗本薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1999/02/01
- メディア: 文庫
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アムネリスがアルセイスにやって来た。既に愛情を失って久しい妻より妊娠を告げられたイシュトヴァーンは激しく動揺する。その頃、ユラニアには奇怪な噂が広まっていた。「亡きサウル皇帝が、イシュトヴァーンをゴーラ王に指名するだろう」予言の当日、何者かの魔道によってアルセイスの上空には巨大なサウル皇帝の霊が現れ、衆目の前でその手よりイシュトヴァーンに王冠が載せられた。
1巻丸ごとかけてやる話かな……とちょっと思ったりw。いつかの感想の繰り返しになるが、久々登場のアムネリスはすっかりノスフェラスでエラソーに指揮していたころの面影は欠片も無くなってしまった(ついでにナリスのナの字も云わなくなった)。彼女(&モンゴール)とイシュトとの決裂も近そう……パロのナリス蜂起とどちらが先になるか?
グラチウス(だよね?)の手妻によって、やたら芝居気たっぷりの戴冠を受けたイシュトヴァーン。演出として冠を戴いたのみか?何か怪しい影響を受けていたりしないか?いやに不気味な引きだったが。その戴冠の直前、本能のように「望んでたのはそんなもの(=王座?)じゃない」と口走ったイシュトだが、彼が本当に望むものとは?王座、戦場、運命共同体という形で彼が求める本質的なものとは???
もうひとつ、この巻には非常に見落とせない記述があって。あとがきにて今後のサブタイトル?のネタばらし出血大サービス!!!なんだ~スカールが※※※※※※のはすでにバラしてたのかよぉ*1。数あるタイトルのなかではやはり「カリンクトゥムの扉」が気になりますが。あ、「豹頭王の追放」も。
読み方・意味を調べた言葉。「業腹」ごうはら、しゃくにさわること。「天罰覿面」てんばつてきめん、悪事に対しすぐに罰がくだること。「切歯扼腕」せっしやくわん、じりじりすること。「阿諛奸寧の徒」あゆかんねいのと、阿諛追従の阿諛に奸寧とはずるがしこいこと。