かんまんこうろうひ・はてなブログ編

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モンテ・クリスト伯/Amour de 99!!-99年の愛-

 写真は劇場併設のミュージアムで展示されてたラインハルトのお衣装。麗し~♪♪♪

 そう、「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」にハマった(ブログには書かなかったが、博多公演まで観に行ってもーたw)勢いで、宝塚宙組の次回公演のチケットも購入してしまった新規ファンはここにもまだ居たのである。全くこの漫画の通りのことになってるよ(笑)!
 三時間休憩挟んで一本物だった前作と異なり、今回はミュージカルとレビューショーの2本立て。「岩窟王」の原作(完訳版)は学生時代に読んだことがあり馴染み深かったが、レビューショーも予想以上に楽しめた。以下、つらつらと感想なぞを列記(ネタバレには配慮したつもりですが、一応折り畳みます)。

  • どーしても銀英伝から入ったニワカな視点になってしまうのだが、前作であれだけラインハルト(凰稀かなめさん)に誠を尽くしたキルヒアイス朝夏まなとさん)が、今作では一転、我儘で世間知らずで嫉妬深いDV上等(!)の貴族のボンボン役で、凰稀さん演じるエドモン・ダンテスを生き地獄にたたき落とす!というギャップにまずビックらこ。「平民の分際で~」の台詞とか、とてもあの心優しき赤毛さんと同一人物だとは思えませぬ。
  • 英伝とのギャップといえば、今回ダンテスを罠にはめる三悪人はキルヒアイス・オーベルシュタイン(悠未ひろさん)・ロイエンタール(蓮水ゆうやさん)の三人が演じてらして、一方ダンテス、というかモンテ・クリスト伯の側近を演じるのは前作で全く主役と絡みのなかったヤン・ウェンリー(緒月遠麻さん)という……狙ったのですか?コレは。
  • あの長ーい原作(完訳版は文庫で全5巻)を1時間半でまとめる、ということでストーリーテリング役に現代のアメリカンハイスクールの演劇部の生徒達とその顧問の先生(地味に上手かった……前作ではベーネミュンデ)が登場。私は気にならなかったが、19世紀初頭フランスの世界観に浸っている時にいきなり現代っ子が登場するのは確かに賛否両論かも……にしてもなんで「アメリカ」にしたんだろう?そのまま200年後の「フランス」でも良かったのでは?
  • ていうか今回の舞台の演出担当の先生は(解説係に変なキャラを出してくる傾向があるから?)好き嫌いが分かれる演出家さんらしいけど、私は結構ツボにはまる箇所が多くて好きだった。特に「罠に嵌めてやる~♪」の背後でグラサンをかけたドレス娘達が踊ってるとこ(笑)。
  • そしてこれは銀英伝の時から薄々思ってたんだけど、凰稀かなめさんってどことなーく「受々しい」雰囲気が感じられてですな。それでも今作の眼光鋭くおヒゲなポスターを見るにつけ、流石に今回はそんなアヤシイ感じにはならないだろうと思ってたら……
  • 物語前半がファリア神父×ダンテス、後半がベルツッチオ×ダンテスってどういうことDAーーー!?!?(CPが逆なのではないかというご指摘もあるでしょうが、ここでは心の中に「踏み込む」側を攻め側としておきたい)。ちなみに前半の神父×ダンテスは共に「復活の日」の草刈正雄でみたいな格好で、後半のベル×ダンテスはどちらも(推定)アラフォーのおじさま、しかもおヒゲ。
  • 獄中でダンテスに学問をさずけ財宝の在処を教え、復讐の虚しさをも伝えて死んでゆくファリア神父様(寿つかささん、フリードリヒ4世様)はすごく良いキャラだった。復讐はいけないと諭しながらも、決してそれをダンテスに押し付けようとはせず、ダンテスがいずれ自らその境地にたどり着くであろうことを信じようとする懐の深さが。この人が病で亡くなる場面は、なぜかダンテスが神父様をあすなろ抱き!(←死別カップルの究極フォーメーション、と勝手に思ってる!)くどいようだけどどちらもボロボロのボーボー姿ですw。
  • でもって脱獄して復讐開始。密輸船上でとある罪で死刑にされかかっていた処に、たまたま脱獄直後のダンテスが流れ着いたことから刑執行どころではなくなり、結果的にダンテスの御陰で命拾いしたからという割と強引な理由でwダンテスの腹心の部下に収まった緒月さん演じるベルツッチオ……なのだが、こんな人原作に居たっけ???(手元に原作本がないので確認できない)
  • ダンテスの手足となって働く(表向きは執事。裏では情報収集を担当)一方で、復讐の為には罪のない他人をも巻き込むダンテスのやり方を正面切って非難する(それがダンテスの良心にグサグサ刺さるようで、黙れとばかりにどつかれたり、足を踏まれたりするのがまた主従萌えのツボにハマるw)ベルツッチオ。とどめの科白が「命をかけてあんたを守るって決めたんだ!でもそれは外敵からじゃない。あんたの心の中に潜む悪魔からあんたを守るんだ!」主人公の闇堕ちを阻止するって、もうそれどこの少女漫画を参考にしたの!?って感じなんですけど(繰り返すがどちらもアラフォーのおじさんという役柄)。手元に本が無いので断言はできないけど、このキャラクターは宝塚のオリジナル……だよね(もし原作に登場していたらそれなりに印象に残るはず。というか、日本の高精度アンテナを誇るFU女子がこんな美味しい主従萌えを放っておくはずはないw)。やっぱり凰稀さんはそっちの路線もそこはかとなく匂わせて売っていくのかしらん?
  • 1の子分・ベルツッチオについては全く記憶にないが、2の子分・ルイジ・ヴァンパ(演じるはミッターマイヤー・七海ひろきさん)は原作での記憶もばっちり。なぜなら、「ヴァンパの献立表」というサブタイトルを覚えていたから。ただ、密輸船の船長というより完全に見た目は海賊のこの人が、ダンテスを助ける(曰く「あの牢獄を脱獄してくるからには根性があり色々役にたちそう」)まではともかく、その後、一介の脱獄囚に過ぎない彼を殺して宝を横取りしようなどとはつゆにも考えず、子分達もろともダンテスの配下にすんなり入ったのはこのお芝居の最大の謎かもしれないw(舞台上では絆を結ぶ詳しい経緯は省かれ、アメリカの学生が「彼らは仲間になったんだ」と一言説明するのみ。原作では、ヴァンパと知己になるのは財宝を得て伯爵になった後だし)。
  • ヴァンパと子分たちの場面は小芝居やギャグが楽しかったが(会話は薩摩弁!なんでやねんw)、だからこそ彼らがダングラールを拷問にかける場面の恐ろしさが際立ってて効果的だなあと感心した。ダングラール(おリボン頭が可愛かった♪)は、原作では三悪人の中で最もダンテスを憎んでて罠にはめる際も主犯格役割を果たしていたが、宝塚版ではフェルナンに主導権を握られ、復讐では真っ先に餌食になってしまっておまけに※無しの烙印まで押されてwいろんな意味で散々だった……。あと「あいつは、俺より年下なのに~」の歌は(わーっw!わーっw!ごめんなさーーーーいっっwww!!!)
  • 原作を読んでて良かったこと。実はヅカ版では三悪人の復讐される順序が変わっていたり、Aの末路とBの末路が入れ替わっていたりするので、原作との比較が面白かった。
  • 原作を読んでて良くなかったこと。宝塚オリジナルのラストが清々しいハッピーエンド、かつ大胆展開過ぎて正直、受け入れるのにワンクッション要った。宝塚という枠で描くならば、このラストが相応しかったのだろうが……ちょっとご都合展開ぽくも感じてしまった。あと、もし決闘で死んでたらあの新しく作った※※※※※※はどうするつもりだったんだろう……w。あるキャラクターのアイデンティティをまるっと改変するのは大昔の小説が原作だからできたんだろうなあ、とも思う(でもデュマのファンって今日日でも普通に居るよねえ)。
  • ……簡単な箇条書きにしようと思ったのに、なんでこんなくどくど長い文になってるのだか(汗)。しかも、ヒロインのメルセデスやエデ姫のことをちっとも書いてないし(ヒルダの時も思ってたけど、歌はとっても上手。ただ、ダンテスとの葛藤の場面でいきなり黒子の群舞がやってきた場面はアメリカンハイスクール以上にちょっと……)。モンテの感想はここまで。
  • レビューショーは数年前にも少し観たことがあったが、演者の中に顔と名前を覚えているジェンヌさんが居るのと居ないのとでは観る楽しさが段違い!ということが今回よーく判った(笑)。
  • というか前回の銀英伝観劇の折に、本編が終わった後にフィナーレショーの格好になって、その後またパレードには銀英伝の軍服やドレスに着替えるなんてなんて大変なんだ!と思ったけど、これはとんだ初心者の感慨だったw。一時間足らずのショーの中で、皆さん一体何回着替えた!?特にトップの凰稀さんは、両手では足りないくらい衣装チェンジされたのでは???舞台裏がとんでもないことになっているのではと推察するのですが……(^^;)。
  • 今回のショーで一番の目玉は、云うまでもなく中盤で登場した凰稀さんの生足レオタード姿(パイナップルの女王様、というらしい)なのだろうけど、個人的には序盤にあったブルーの衣装で踊った場面が非常にカッコ良くて素敵だった。あと銀橋で踊ったレナウン娘みたいなのと、タキシードにバラを持って踊った「いかにも宝塚」なの。
  • というかパイナップルの女王様は、女王は女王でもニュー※ー※の女王様に見えてですなw(これは別の場面で「女装」した緒月さんにもいえた)。それだけ「男」が染み付いてるってことなんだろうけど。というわけで、※※ーハーフみたいってのは決して否定的な意味にはならない……ハズ。
  • オケピがちょっと視える位置からの鑑賞だったが、レビューショーではコンダクターが(おそらく)女性で、しかもノリノリで振っているのが遠目にも判ってそれも楽しかった。

 最後は尻切れとんぽのような感想になっていますがw、すっかりファンになってしまったので(特にヤン・ウェンリー=ベルツッチオ=緒月遠麻さんがお気に入り)、おそらく夏ごろの全国ツアーも観に行くことになるかと。全国ツアーではミュージカルの演目は変わるものの、レビューは今作の「アムール99」のままらしいので、またあのかっこいいブルーのダンスが観れると思うと嬉しいですの。