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銀河英雄伝説 第三章 内乱 4/6 ソワレ

 ネット上で見かけたキナ臭い噂、そして大人の事情が丸見えの配役表及びポスターを見るにつけ、「同盟編」で得た好印象よりも嫌な予感が先行してしまってwとても東京くんだりまで観に行く気にはなれなかった。だが、いざ開幕してみるとかなり良い評判も聞こえてきたので、結局弾丸日帰りライナーで見に行ってしまった(^^;)。
 6日と13日とどちらにしようか迷った挙句、6日のチケット(移動費含む)を買った後に爆弾低気圧が迫っていることを知る。良くて足止め、最悪の場合は上京中止も覚悟したのだが、結果から云うと予定通りに行って予定通りに帰ってきた。その後、13日は例の地震で交通が大混乱したわけで、人生どの選択が正解なのかは全てが終わってみないことには判らない、と再認識(何のこっちゃw)。
  観に行く決め手になったのは、失礼ながらそれまで全く存じ上げなかった、新ラインハルト役の若手役者さんがとても良い!(・∀・)と聞いたから。うん、良かった。目ヂカラがあり、声も通っていて(オフレッサーに姉上を侮辱されてキレる処とか「ああ、ラインハルトだ」と思った!)、何よりカーテンコールの笑顔が素晴らしくて、事実上の主役として申し分なく大作舞台の柱を果たしていると思った。最初に配役表を観たときは、ラインハルトが変に脇役扱いされて、銀英伝の世界観自体が※※※にされるんじゃないかとまで正直思っていたが、フタを開けてみれば、きちんと帝国ラインハルトと同盟ヤンの二人を軸にした物語が展開される舞台にもなっていた。
 以下、くどくど長い上に所々宝塚版と比較する事書いてます。苦手な人、及びジャ※担の人は注意。

  • 河村隆一さんは安定のヤンっぷり。今更だけど、ここまでア二メ版ヤン・ウェンリーを三次元で再現できる人がいようとは最初に舞台化の話を聞いた時は思いもよらなかった。あの、しつこいまでの実年齢との比較アドリブはどうしても挟まなきゃ気が済まないのかなぁ(^^;)。とにかく首から下はヘタレ、ってことでせり上がり台(そんなに高くはなかった、と思う)から一人で降りられずwポプランとコーネフに手伝ってもらう、というシーンがあって大ウケだったが、アレはヤンならでは演出だったのか?それとも、本当に河村さんが素で降りられなかったのか!?(ちなみに宝塚版の緒月ヤンには、腰くらいの高さの台にひょいと飛び乗る場面があった)。
  • 個人的にア二メ以上の完成度!と思ったのがビュコック。というか、コワモテというのが原作ビュコックの第一印象ですから(富田耕生さん声のビュコックは非常に温和そうだったので……)。演じた方は第二章同盟編ではあの愚かなゼークトを演じた御方だが、前作とは一転、物凄い人格者オーラが出てた。ビュコックといえば、ジェシカに批判的な部下を諌める場面で、その部下が次の瞬間クーデターメンバーになる展開は単純だけど上手い統合だと思った。
  • 舞台化にあたって、コーネフのクロスワードがハリセンの役目を果たすことに最初に気がついた人は、影のMVPだと思う(笑)。でも、第二章同盟編では、あんなに本気で殴ってたっけ(^^;)。
  • 中川晃教さんという人は人気ミュージカル俳優、としか銀英伝舞台で観るまでは知らなかったのだけれども(もしくはノリ※サさんの翌日にポピュラーウィークをやった人、と)、にわか知識で失礼かつ恐縮だが、梅芸や帝劇で主演をする人にとってはこのポプランという役は少々役不足なのでは……(外伝では主演やったけれども)!?河村氏と違って銀英伝ファンであるとは聞かないし、気に入って下さってるのだろうか?>ポプラン役。
  • 戦闘シーンで歌いだしても下ネタに走っても少々アドリブが暴走しても、ポプランと思えば何故か許容してしまえるのがこのキャラクターの凄いところ。また、河村氏とは逆に中の人の色が強く出ているのがプラスに働いてる感じにも。舞台版のポプランはこのポプランで既に確立していると思うので、このまま大人の事情に流されずに続投して欲しい。もちろんコーネフと一緒に。
  • 伊達さん……じゃなかった、岩永さんのシェーンコップがきちんと強そう&女好きそうで安心した(だって映画ギャ※ンでは以下略)。中川ポプランと中村コーネフと3人で、ほぼアドリブでワンシーン持たせる処が一箇所あるが、上手く笑いを取れる舞台巧者さんだったということを今回初めて知った(だって※ャバンでは←しつこい)。
  • ジェシカが撲殺される場面は、原作通りと判っていても、実際に等身大の人間が演じているのを見るとかなりショッキングだった。しかも結構長い間殴られてるし……。道原かつみ漫画版の死に顔どアップシーンよりも衝撃的だった。
  • 贔屓目かもしれないが、ちょっと宝塚版を意識した!?と思われる場面も幾つか。冒頭にいきなりオーベルシュタインが登場するとことか、皇帝の死に際する姉上のダンスとか、2幕で多用されていた回り盆とか。オベが諸提督たちにゴールデンバウム王朝を憎む理由を聞かれて義眼を見せるシーンは、一瞬「私の義眼で~す♪」と歌いだすんじゃないかとも思ったw(←コラ)。
  • 初めて生で観た貴水オベだけど、不気味な喋り口調が迫力があって引き込まれたなー(とても私生活で犬を飼ってるキャラとは思えない。だからこそのオベなのだが)。宝塚公演当時、オベが美しすぎるのでは?という意見があったが、舞台版のオベも十分美形だとも思うのだが……。そういや、舞台・宝塚版ともにオベを演じたのは皆「ひろさん」(貴水博之さん、悠未ひろさん、七海ひろきさん)。
  • やっぱりオフレッサーは落し穴に嵌らないとwww(爆)!ということで、単に落し穴のみならず、動物を罠にかける時のようなオリまで用意されていたのは大爆笑!しかも落ちてからしばらく舞台上手で芝居が続くので、その間檻の中であれこれ頑張るオフレッサーさんwww。いーなー、オフレッサーはやはり銀英伝のある意味看板キャラだなー。
  • さて、触れないわけにはゆくまい。チケットを捌いた(恐らく)最大の功労者にして、舞台上における最大の懸念事項と(特に原作ファンから)目されてきた某キャラ……確かに、確かに……某、もとい、棒だった。滑舌はともかく、某で、あれで悲恋やら葛藤やら敵味方を超えた共感やらを表現されるのは、正直、キツかった……。
  • 自分はいくつかの特撮番組で素人が台詞を喋ってるのを見慣れているのでw、そんなにお芝居のレベルは高くなくても(ぶっちゃけ低くても)平気な方と自負(?)してるのだが、その前に鑑賞したのがあの宝塚版だったのもここでは決定的にマイナス効果だった(^^;)。宝塚版を見ていなければ、舞台版のキルヒは「本当はとても優しいけれど、見た目はラインハルト以上に鉄面皮で感情を表に出すのがとにかく苦手な設定」と脳内補正することも可能だった……可能だったと思うw。
  • いや、当初ラディッシュでもそこからとんでもない成長ぶりを遂げる例は特撮でもたくさん見てるし、ジャ※繋がりで考えるなら、かの風※俊介氏も遊戯王を始めた頃はとんでもなく舌足らずの棒読みだったっていうし……可能性を感じたからこそジャニーさんもグループデビューさせたんだろうし……え!?もう26!?
  • あと、出してもロクに動かせないからという理由で切ったのだろうけど、やはりラインハルトの元帥府の登場人物がキルヒとオベと双璧とビッテンだけって寂しすぎる!ショボすぎる!モブでも良いのでズラーッと出して欲しかった。ミッターマイヤーはまあ今回は(一部下に過ぎぬポジだし)あんなもんでしょ(激高してオベに詰め寄ってあまつさえビッテンに制止されるのはご愛嬌w)と思っていたら……一箇所明らかに台詞が飛んだ処があったりしてw。あと、オフレッサーとの殺陣のシーンが見せ場だったが、私が観た回では手を負傷してらしていつもより控えめに立ち回ってたらしい。お大事に。
  • キルヒアイスがあんなことになってしまったので、アンネローゼとの悲恋も捕虜交換シーンもイマイチのめりこめない一方で、なぜか気持ちが高ぶってしまったのは、アンスバッハ一連の場面。主君を守ってオフレッサーを射殺した直後に、 ブラウンシュヴァイク公爵にビンタされるシーンの彼がなぜか非常に可哀想で。公爵を自決させる場面では、それが公爵の為であると同時に、ほんの少し積年の恨みを盃に込めているように見えてしまったw。
  • 帝国同盟共にキャラクターを割愛しててちょっと寂しい、一部の出演者が※※、一部の出演者がアドリブ過剰、一部のキャラが原作に沿っていない、一部の場面に於いてあまり感情移入ができない、カーテンコールの並びが一部不自然、等々の不満点は確かにあった。しかし、それでも東京まで観に来た甲斐があったと思えたのはやはり、河村ヤンと間宮ラインハルトが同盟と帝国、それぞれの主人公として確固とした存在感を発揮していたから。三次元の物語はキャスティングで9割、その成否が決まるという説もある。このシリーズがどこまで続くのかは判らないけど、もうしばらくの間この二名が舞台の軸として続投してくれるなら、今後はファンクラブ先行でチケットを買っていいかもしれない……と今回初めて思った。

 今だから書いちゃうけど、正直第一章の銀河帝国編の頃は、私はかなりこの舞台に不安なものを感じており。人気実力ともに申し分ない人たちを配役してるけど、第一章の次作が早くもオリジナルの外伝ってどうなの?とか。同盟編はホントに作れるの?とか。ヤン・ウェンリー役はこなせる人がいるの?とか。同盟と帝国両方揃えた舞台なんて本当にできるの?とか。某くんは出世街道に乗っちゃったし、舞台に再登場してくれるの?とかwww。何より、まだ舞台としては海の物とも山の物ともつかぬ作品でファンクラブを作るとかナントカの皮算用では……と内心思っていたw。結果から云うと、これらの不安はほぼ解消されて現在の舞台に至ってるわけで、プロの興行師を見くびってはいけない、ということが今回最も強く覚えた感想かもwという処で〆。