かんまんこうろうひ・はてなブログ編

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グインサーガの49巻目を読んでみた

 いよいよ次で50巻。しかし「リンダ、ぼくお腹すいたよ」からあっという間だったようなそれでいて遠くまで来てしまったような、変な感じです。

緋の陥穽―グイン・サーガ(49) (ハヤカワ文庫JA)

緋の陥穽―グイン・サーガ(49) (ハヤカワ文庫JA)

 アムブラの中でも特に過激な学生たちが、市庁舎を占拠するという実力行動に出た。人質を盾にレムス退位及びナリス即位を迫る彼らに対し、ナリス不在のパロ宮廷はなす術がない。一方ナリスは国王派の急先鋒である王立学問所所長カル・ファンによる苛烈な拷問を受けていた。薄れゆく意識の中で、ナリスはカル・ファンとレムスに憑いたカル・モルの関係、さらにそれらの背後に潜む巨大な陰謀のに気づくのだが……。

 学生たちによる声明文においてケチョンケチョンに貶されてるパロの国王様……ちょっと可哀想。決して暗愚ではないのに……ナリスがぶっとんでいるだけなのに。それでもああまで書かれたらやっぱりキレるかと思ったら意外にも努めて冷静に振る舞っててちょっと見直した(が、「史上最悪の愚帝」呼ばわりされた直後に、これまでで最も国王と呼べるに相応しい態度が出てくるなんて皮肉よのう)。にしても、14の頃と変わらぬ気の弱いレムス、懸命に国王たらんとする未熟な少年のレムス、自らが軽視されることに異常に神経質になるレムス、そしてカル・モルの霊とともに覇権の野望に燃えるレムス……今後、どのレムスが主導権を握ることになるのでしょうか。そしてこのいくつもの貌をもつ少年と対峙することになりそうなのが、これまた多面的な人格を持つアルド・ナリス……といってもナリス様の視点は既にレムスを越えてカル・モルのそのまた背後にいる何者かに向かっているようだけど。
 ここへきて急に「キタイ」という国名がリフレインされるようになったが、以前から「~の暗殺者」などの引用で時たま文中に登場してしていたキタイが、いよいよ作品の表舞台に登場することになるのか(そういえば「七人の魔道師」に登場したあのめちゃめちゃ手強そうな悪役の出身地だったような)。ああもう、ケイロニアとゴーラ3国とパロあとノスフェラスミロク教グラチウス古代機械謎の宇宙船ランドックらの因縁奇縁複雑怪奇な因果のもつれあいだけでも十分お腹いっぱいなのに、またややこしい要素が介入してくるのだなぁ(汗)。あ、ややこしいといえばもう一点、レムスvsナリスの構図にまさかの第三勢力のの影が。パロ聖王家をもあわよくば自分たちの都合に合わせて動かそうとしているパロの魔道師ギルド。しかもヴァレリウスはその一員であったとな!レムスにとりついたカル・モルの元締めの調査を開始する(今頃!)ということだったが、あ~のぉ~~~この人たちは黒竜戦役でパロが壊滅状態だった頃はなにをしてらしたんでしょうか?傍観?昼寝?