かんまんこうろうひ・はてなブログ編

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グインサーガの66巻目を読んでみた

 なんだか、私の文章も栗本先生の影響を受けているような……。妙に熟語を使いたがる処とかw。

黒太子の秘密―グイン・サーガ(66) (ハヤカワ文庫JA)

黒太子の秘密―グイン・サーガ(66) (ハヤカワ文庫JA)

 ナリスにグル・ヌーの秘密について告白し、一旦は彼と共にキタイの脅威に立ち向かうことを了承したスカールであったが、ナリスが怨敵イシュトヴァーンと手を組んだことを知った途端、激怒し一切を引き上げようとする。が、ナリスの決然とした覚悟の前に軟化し、イシュトの関わり薄い場面で1度だけ助力することを約束するのだった。そして遂に、ナリスは首都クリスタルへと帰還する。

 そのクラーケン談義、かなり灯台もと暗しですっ!!!>ナリスさま

 スカールよりグル・ヌーの真実について打ち明けられたナリスが、数ある怪異の中でもクラーケンに興味を持ち、延々延々(^^;)とスカールとクラーケンが星船に積まれていた意義?について論じ合う場面。そこはイシュトに訊くのが最たる近道なのにー!と突っ込みたくなったのはもっちろん書くまでもないでしょう(笑)。しかし「幽霊船」のエピソード専用?のモンスターと思われたクラーケン。ひょっとしたら意外にキーモンスターになる(予定だった)の???
 そのイシュトヴァーンを切欠に、自らの信義を激しくぶつけ合うナリスとスカール。ここ、かなり好き。自身の従う道義から外れることなく、相手の義をそれもまた義と正面から受け止め、小手先なく刃を返すところが。カッコよさでいえば、アキレウス帝が自身の衰えを認めた直後に、グインに全身全霊をこめて勅命を下したあの場面(41巻「獅子の正座」)に次なるくらいでなかったか?と個人的には思うておりまするが。ナリスも普段からあのくらいはっきりきっぱりものを云えてれば、今頃幾人かの登場人物はかなり状況が違っていたのにのう。しかし、どちらにより理の配分が傾いているかといえば……やはりナリスかなあ。スカールの云い分は(愛する者への心情を最優先することの是非は別にして)やはり私怨がベースになっていると思うので。ヤンダルはキタイによっても恐るべき魔王だけれども、現時点ではイシュトヴァーンはゴーラ、特にユラニアの人々にとっては救国の英雄、頼もしい守護者だからさ。現時点ではね。
 星船、古代機械、そしてグインとヤンダル・ゾックについて一定の仮説を立てたナリス。まあ作者贔屓のナリスさまですから(爆)、あんまりとんちんかんな予測は彼には立てさせんでしょう。ヤンダルは星船とパロの古代機械を狙っている。星船の一族出身であるグインはそれを阻止する目的もあって現世界に落とされた。スカールの知る星船のパスワードど、ナリスの持つ古代機械の知識とともにグインがノスフェラスに立つとき何かが起こる。そういやリンダの予言では「ノスフェラスが血に染まる」とあったんだよね。中原ではなく。ところで、紅蓮の島で見た宇宙船は何処へ???

 読み方、意味を調べた漢字。帰趨、きすう。ものごとの行き着く先。退嬰、たいえい。しりごみすること。猿臂、えんぴ。長い腕。空手の技の名でもある。天衣無縫、てんいむほう。天女の衣には縫い目がないことから、つくろった様子がまったくない自然なさま。枉げるはまげるとよむ。曲げるの常用外。瀟洒、しょうしゃ。しゃれているさま。入寂、にゅうじゃく。僧が亡くなること。ロカンドラスさん、自分の死期を察してスカールに秘密を託すのはいいけど、あなたのバリヤーが不十分だったせいでスカールも死にかけましたよ(汗)。