かんまんこうろうひ・はてなブログ編

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グインサーガの65巻目を読んでみた

 そりゃまー、女は基本的に身内よりも惚れた相手を選ぶ生き物ですから。でも、リギアの「弟みたいな」ナリスに対する忠誠、あれは何なんでしょーねー。キャリアウーマンともちょっと違うよね。まあ、そんな女性も居るよね、ということで。

鷹とイリス―グイン・サーガ(65) (ハヤカワ文庫JA)

鷹とイリス―グイン・サーガ(65) (ハヤカワ文庫JA)

 イシュトヴァーンが復活したゴーラ王国の初代の王となり、彼を愛するアムネリスもそれを承認する。その頃パロでは、かの折のモンゴールの侵攻からキタイの陰謀は始まっていたと確信したナリスが、妻リンダに自身の叛乱計画を打ち明けていた。迷うことなくリンダは弟よりも夫を選ぶと告げる。そして数日後、スカールが極秘裏にナリスのもとを訪れた。

  リンダ、あなたって人は……(^^;)。 

 久々に偉そうにツッパるアムネリスちゃんが出てきたなとか、ナリスとヴァレリウスはSMの会話を応酬する段階は抜けて新境地に達したんだなとか、結局市庁舎&アムブラ事件直後のレムスの反省は一体何だったんだとか、スカールは再会したとたんナリスに優しすぎだろ!とか、いろいろ触れたい件はあるのだが、それにも増して中盤のナリスとリンダの会話がぜーんぶ持って行ってくれました。
 そりゃこれまでも会話の端々にそれっぽい雰囲気を匂わしてはいたが、いざ劇中にて、きっぱりはっきり「この二人は実はこうでした」と宣告されると、かなり衝撃的ですね(^^;)。ってリンダさん、ホントのホントに!?厳かな宮廷教育しか受けてないっていっても、あれだけ長い長い長い旅も経験して、悪い奴に襲われる目にも多々遭って、おまけにあのイシュトヴァーンとも恋仲になっておいて、「そういうこと」を全く知らない(現時点でも)って、ある意味奇跡じゃなかろーか???
 にもまして突っ込みたいのはナリス。リンダを肉体上の妻として扱っていなかったって、それって彼女を愛してはおらず、自分の格に相応しいという理由で妻にしたとしか思えないんですケド……。今になってそれを読者に明かすかね。その直後に「かつての自分は愚かだった」とえんえん語られてもねェ~。しかしながら、全く男女の交わりの真実について考えたことすらないリンダが、ナリスの云わんとしていることを全く理解できず、彼を困らせる場面はなかなかの傑作場面でありました(笑)。

 今回読み方、意味を調べた漢字。凄愴はせいそう、いたましいこと。躁状態、そうじょうたい。ハイなこと。弊履、へいり。破れた履物、もしくは役に立たなくなったものという意味。顰蹙はひんしゅくと読む(パッと見て判らなかったw)。矯めるはためる。矯正の矯なので意味はなんとなくわかる。無聊はぶりょう、もしくはむりょう。退屈なこと。熾王冠はしおうかん?熾は熾烈のし。炎のように赤い王冠のこと?