かんまんこうろうひ・はてなブログ編

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グインサーガの90巻目を読んでみた

 グインの軍隊って、平時はどんな鍛錬の日々を送ってるんでしょーねー。体を鍛え心を鍛え……ちょっと見てみたい(笑)。

恐怖の霧―グイン・サーガ〈90〉 (ハヤカワ文庫JA)

恐怖の霧―グイン・サーガ〈90〉 (ハヤカワ文庫JA)

 アモンはケイロニア軍に恐るべき魔道の術をかけ、兵士たちの間からは悪夢から逃れようと自殺する者や、戦意を失う者が続出した。グインもまた夢の中でシルヴィアに詰られ痛手を被るが、反撃の一閃でアモンの肉体を分断し撤退させると、ヴァレリウスの協力もあり何とか軍を立て直すことに成功する。アモンが傷つき弱っている今こそ最大のチャンスと悟ったグインは、グラチウスと一時的に手を組み、彼を結界の張られた魔都クリスタルに斥候として送り込むが。 

 ラスボス度がアモン>(壁)>レムスなのはあまりに明白なのに、あくまでレムスを「敵の大将」として会話にのせるグインにさり気ない思いやりを感じるw(←穿ちすぎ?)。

 いや~《夢の回廊》の術、おっかないというよりはロシアンルーレットみたいな魔道ですねえ。運が悪けれれば死亡、発狂。運が良ければ飲み会の夢(爆、トール談)って。運というか、個人の事情に左右される術?しかし、人生においてどれほどの重荷、もしくはトラウマを抱えるに至るかは運も関わってくるしねぇ……うーむ。まあ、足止めが主目的、戦力が削げればラッキー♪みたいな術だから、これでいいのか。でも、アモンにはもっともっと大暴れしてもらいたい。魔導を操り、人を生きたまま(うげ!)食べて力を蓄える異形の美少年……ちょっと青薔天(@天馬の血族)と被るなあ。アッチは最後とても呆気なかったんだけどね(^^;)。
 グインとシルヴィアには新婚初夜から出陣までの間に何があったんだ?……何も無かったからああなったんだろうなぁ。本人は否定するだろうけど、明らかにグインはシルヴィアのことを重荷に思い始めてる、と思う。ズバリ書けば愛が冷めた。あのダリウスを篭る城を攻めた超本気、中原の情勢よりもシルヴィアただ一人を選んだ一本気ぶりが(前に誰かが指摘したように)単なる保護愛だったとは思えない……でもそうなると、やっぱり「冷めた」ってなっちゃうな。ああ、シルヴィアがもう少し別の方向に莫迦で甘えんぼだったら良かったのに……。あの、シルヴィアを「斬った」場面、グインは本当に幻と確信して剣を出したのだろうか?
 クロウラーに襲われたユリウスは無事だったんですね、ヨカッタヨカッタ(←ついに愛着持っちゃったよ……)。遂にグラチウスと共闘するに至ったグイン。ゾルーディア~キタイ編の頃は「俺と貴様が手を組むなど天地がひっくり返っても有り得ない」と鼻息荒かったのに。一時的に手を組むだけとグインは念を押していたが、グラチーを拒絶する原因であったシルヴィアとはどんどん溝が深まり、反比例するようにグラチウスに対する姿勢が軟化……とまではゆかずとも妥協していくように見えるのはちょっと複雑。でも私グラじーさんの自身を誇大宣伝するとこ、嫌いじゃないんだよね。作者の分身のようで。