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グインサーガの93巻目を読んでみた

熱砂の放浪者―グイン・サーガ(93) (ハヤカワ文庫JA)

熱砂の放浪者―グイン・サーガ(93) (ハヤカワ文庫JA)

 古代機械の力でノスフェラスへ転送されたグインは、自身にまつわる一連の謎を解くためグラチウスと共に《死の谷》グル・ヌーへ向かう。しかし、グル・ヌーの入口白骨ヶ原はグラチウスの力でも越えられぬ程の瘴気に満ちており往生することに。そこへロカンドラスの魂が現れ、グインを最深部の星船へと導く。だが、船内で突如響いてきたのはアモンの声であった。

 グインとグラチウス、いつの間にか仲良くなっちゃって……。

 ユリウス、暗黒魔導師連合、キタイで用意した罠のあれやこれや……と何かと隠し球の多いグラチウス。そんな彼の新たな秘密兵器がお目見え!その名もおまる型白鳥型陸上船!まさかの舞台趣味。やはりグラチーは作者を色濃く……ゴホゴホゴホ!
 だだっ広い砂漠を舞台に登場人物はほぼグインとじーさん二人のみ。前巻までの魔道飛び交うバトル描写から一転、この巻では冒頭から、(これまで何度繰り返されたかわからない)グインが自身について思考を重ねる描写が約50ページ、そのあとグラチウスも加わって議論を重ねる描写で100ページ!2章分まるまる使うって……長過ぎぃー(^^;)。しかし、白骨が原にてグインがカナンの亡霊たちを前にものの道理について語る場面、ロカンドラスと問答する場面では、病魔と向き合うことで培ってきた作者の死生観が反映されていたような気が。
 今日びの事情と照らし合わせると、ちょっとシャレにならないかもしれないネタバレも。グインが※※※を(害にならない程度)発する存在とか……よりにもよって日本が今最も神経質になっている部分ですやん(^^;)。グインのエネルギーはどこからか無尽蔵に送られてくるんじゃなかったの?原子力も関わってくるの?
 最後の最後に漸くアモンが再登場。次巻は再び戦いの描写になるのだろうか?

 読み方、意味を調べた漢字。矛盾撞着、むじゅんどうちゃく。二つの事柄が論理的に食い違って、つじつまが合わないこと。衒気、げんき。自分の才能・学識などを見せびらかし、自慢したがる気持ち……まさにグラチーのための熟語(笑)。