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グインサーガの101巻目を読んでみた

北の豹、南の鷹 (グイン・サーガ(101) ハヤカワ文庫 JA)

北の豹、南の鷹 (グイン・サーガ(101) ハヤカワ文庫 JA)

 スカールの一団と共にルードの森を脱出したグインであったが、総勢百に満たぬ彼らにゴーラの大軍勢が迫る。グインは咄嗟にイシュトヴァーンに重傷を負わせ、要を失ったゴーラ軍は撤退した。グラチウスの言によれば、グインとスカールが出逢った時に「何か」が起こる筈であったが、グインが記憶を失っている以上どうにもならなかった。しかも、スカールは《グル・ヌー》での放射能の影響とグラチウスの偽りの治療によって、その身は明日をも知れぬ死病に取り憑かれていた。

 「~~となってはならない」という作者の意思が突然グインの脳裏に閃くって便利な設定だな(^^;)。

 またグインは思い切ったことをしましたね……イシュトヴァーンの腹部を指し貫く(!)なんてさ。いよいよもう「戻れない関係」になっちゃったな、この二人は。北方を仲良く旅してた頃が懐かしいぜ。もうイシュトは自身の人生のゴールを「グインによって倒される」時と本能的には判ってるんですかね。
 グインとスカールが出逢うと何かが起こる、ってそういえばナリスやアグリッパが云ってたかなあ。でも、スカールが見聞したり「パスワード」を握った星船は宇宙の彼方に飛び去ってしまったし、そもそも仮に記憶が戻ったとしてもファイナルマスターたるグインにそんな知識が今更要るのかも怪しいところ。まあ、《会》という神秘的な言葉が付いているので、知識の融合以上の意味がこの出会いにはあったのかもしれないが。まさか記憶万全のグインと出逢っていたらスカールはあの場で死ぬ予定だったとかじゃないよね(^^;)。
 共に硬派のグインとスカさんは、出会ったら意気投合しそうなのはなんとなく判っていたので、二人のやりとりはまあ想像通り……ではあったが、やっぱりかっこよくて読んでて気持ちいい。が、ちょっと見ぬ間にスカールの状態がそんなに悪いことになってるとは……(涙)。こちらも「オレ流全開、世界は全て俺の庭」みたいにブイブイ云わせてた頃が懐かしいかも……今の悲壮感たっぷりスカさんも素敵だけどね(おい)。リーファがスカールの夢枕にも立たないのは、いつかの決意の通りに「風になって太子さまを守っている」からじゃないかなあ。

 マリウスはね、歌っていたらね、本当にね、凄いのね(しつこい)。あのヴァレリウスさえもが見直しちゃうくらいにね。歌うためにはいろいろ周囲を振り回さなくてはならないようだけどね。同じ芸術家気質でもあるからか、作者もマリウスを持ち上げたり落としたり大変だな~w。

 読み方、意味を調べた漢字。忝ない、はかたじけないと読む。この時の謎がやっと解けた。心、ではなかったのね(^^;)。