かんまんこうろうひ・はてなブログ編

はてなダイアリーとはてなブログの違いが全くわかりません

グインサーガの102巻目を読んでみた

火の山 グイン・サーガ(102) (ハヤカワ文庫JA)

火の山 グイン・サーガ(102) (ハヤカワ文庫JA)

 グラチウスが起こした山火事によってグインとスカールは山頂に追い詰められるが、あわやという時にさえも闇の司祭に縋ろうとしない彼らに根負けし、遂にグラチウスは雨雲を呼ぶ。その頃、瀕死の重傷から回復したイシュトヴァーンは、自身を一蹴したグインとその国ケイロニアを生涯かけて越えるべき敵と定め、モンゴール反乱軍とは和平を結び、早急に国の礎の強化と底上げに取り組むことを誓うのだった。

 グインとの根比べに負け露骨に不貞てるグラチーがたまらん(^^;)。

 どう切り出していいのか判らないのか、ボソッと「かぜ、ひくよ」って。本当に八百歳かw。前巻とこの巻とやってることは久々に悪どさ全開なのだが(ソンビーも出してきたし)、なーんか憎めない爺様として定着しちゃったな。>グラチウス。
 炎に巻かれて死ぬよりは強い奴と戦って倒れたほうがマシ、といきなりグインに向かって抜刀するスカール。なんでこのテのキャラは行動が判りやすいんだ。しかしアンタはそれでいいかもしれないけど、仮に果しあったとしてその後グインはどうすればいいのよw。グインだけ焼け死ねってか!?以前はナリスに「死に場所を求めるなんて病んでいる」なんて苦言も呈したくせに、それが今では自分がどの地で終焉を迎えるかを考えるばかりの状況に陥ってるんだもんなぁ……>スカール。ひたすらスカールに付き従い死んでゆく部の民らとの一心同体ぶり、今生の別れの潔さぶりは確かにカッコイイけど……余りにも無抵抗すぎる気も。現在のスカさんは悲壮美もあるけど、やはり心は衰えている、のかな。これであと30巻近くは生きながらえるのかなりはしんどいと思うのだが……。
 イシュトパートでは久々にアリストートスの亡霊が登場。コイツがイシュトに殺された時は、もろもろの不祥事の責任を唯一人押し付けられた上での処刑だったのでわりと同情したし、悪霊としてイシュトに復讐するのもアリの立場からしたらまあアリ(ん?)だなという感じで読み進めていたが、この巻に登場したアリは普通にイシュトを地獄に引きずり込もうとステレオタイプな亡霊になっててちょっと残念。あの手この手でイシュトやカメロンに揺さぶりをかけて、生きながら狂王としての煉獄を歩ませるような活躍?をまだまだ期待してたのに>アリの亡霊。ともかくもアリの怨念を振り切ったイシュトは唐突に一皮向けて、本気で打倒ケイロニアを目指すことに。大国との戦争を目的とすることで、ものごとが丸く収まるというのも奇妙というか、矛盾した話だが(汗)なぜかそれが成り立ってしまう不思議さ。まあ真面目に富国強兵に務めるつもりならば、しばらくはイシュトの狂王モードはお休み、ゴーラやカメロンにとっても僥倖になるのかな。あの苦し紛れのグインの一撃が思いがけぬ好結果ま呼んでしまった。というわけで、ハラスは助かりました。