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グインサーガの103巻目を読んでみた

ヤーンの朝 (グイン・サーガ(103) ハヤカワ文庫 JA(807))

ヤーンの朝 (グイン・サーガ(103) ハヤカワ文庫 JA(807))

 グイン救出軍から一人偵察に出たヴァレリウスは、魔道の衝突による恐るべきエネルギーを察知する。グラチウスとイェライシャの対決による嵐であったが、ヴァレリウスが決死の突入をかけたことで均衡が崩れ、グラチウスが退いた。スカールと再会したヴァレリウスは、この騒乱の原因が、一刻も早くグインの記憶を取り戻させたいグラチウスの思惑を尻目に既にグインがこの場から遠く離れた為だと知る。その頃、森の中を独り歩むグインは、マリウスと再会していた。

 格下魔導師を容赦なく叱り飛ばすヴァレリウス……わりと鬼上司?その厳しさは誰に似たんだろう(^^;)?

 力量が足りなかったら容赦なく体が吹っ飛ばされたり爆発(!)したり*1、しかも動揺する暇すらなくそのハードな状況を享受せねばならないとは……魔導師って大変な職業?だなあ。前から思っていたが、ヴァレリウスって実はそこそこの実力の持ち主で、次世代の大魔導師となりうる器の持ち主なんじゃ……(そんな身になったらますますナリスのもとに行く日が遅くなるけどw)。
 いつもと少し異なる筋立てのこの巻。終盤まで読者側にも事情がよく飲み込めないままにストーリーが進み、最後の最後でグイン側の事情が明かされ、物語が大きくそれなりに動いたことが示される展開という。どうしていきなりこんな変化球を投げてきたんだろう!?>作者。折角なら本気モードのグラチーをもう少し具体的に読んでみたかったな……。この巻では久々に元気なユリウスも登場。「魔物のおいらに勝てるわけがない」と自信満々にヴァレリウスに喧嘩をふっかけたりしたけど、アンタ、イシュトヴァーンにすらあしらわれてなかったっけw?他にも今回は「???」と思う描写があったりして。グインの記憶喪失を知りながらそれでも「ケイロニア王のあいつがゴーラとの関係を悪化させる軽挙(イシュトを怪我させたこと)に出る訳がない」と信じきっているアキレウス帝とか、ヴァレリウスとスカールの再会シーンとか……「お前のことは覚えている」って、なんでそんな勿体ぶった感じなのご両人(汗)。こないだ戦場の真っただ中でイシュトヴァーンの処遇をめぐって大喧嘩を繰り広げたのは誰と誰だったの!?……ひょっとして作者は忘(以下略)。
 イェライシャの計らいで、グインとマリウスがついに再会。まあ、風来坊グインの相方としてはマリウスがわりとしっくりくるのは確か。グインがなんでこんなへなちょこな奴を受け入れちゃうんだ?という疑問は別にしても。

*1:ヤンダルにかち合って即座に肉体が蒸発、ってのもあったな。