グインサーガの127巻目を読んでみた
- 作者: 栗本薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/06/10
- メディア: 文庫
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サイロンで猛威を振るう黒死病の惨禍に作為的なものを感じ取るヴァレリウスであったが、ゴーラ王の対応に手一杯でそれどころではなかった。スーティの居場所を問いただすイシュトヴァーンにヴァレリウスは白を切るが、イシュトはひとりでにフロリー母子の行き先がヤガではないかと目星をつけてしまう。その頃ヤガへ潜入したスカールとヨナは、表向きは穏健であってもその実、かつての素朴な教義とはかけ離れてしまっていた聖地にに何やら不穏なものを感じ取るが。
って、道中に子供残したまま8年も逗留ってそりゃおかしいだろ(汗)!!!8ヶ月でも異常なのに。
いや~おっかない香りがプンプンいたしますねえ、聖地ヤガ。猫を被っている分、ある意味タイスよりもヤバそうな気がする。人間の本来の性を表向きは否定している分、どこで歪な反動が出てくることやら。とりあえずはヨナとスカールが招かれたお屋敷、長い人は8年も引き止められてるって……異常どころか「世にも奇妙な物語」の次元やん!残してきたという病気の子供……とっくにお亡くなりになったということなんだろうな。カクブル((((;゚Д゚))))。
あてずっぼうのようでわりと感のいいイシュトは自分でフロリーの行き先はヤガではないかと察してしまった。でもまあ、彼女はミロク教徒という観点からするとまっ先に第一候補にあがるのはそこだわな。今行ったらそこには天敵のスカールが居るんだけど。
七人の魔導師事件の疫病騒ぎはそんなに酷いものだったのかぁ。もともとヤンダルさんがそのつもりだったのかそれとも結果的にそうなったのかは知らないが、リンダに言い寄るイシュトを本来牽制するはずのグインを足止めしてしまうという裏展開も含んでいたのは素直に感心した。栗本先生がその時の気の赴くままにで書いているようで、押さえるべき部分は殆ど30年前から動かしてないのは確かだったのだろう。さて、最終巻まで、あと少し。