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グインサーガの129巻目を読んでみた

運命の子―グイン・サーガ〈129〉 (ハヤカワ文庫JA)

運命の子―グイン・サーガ〈129〉 (ハヤカワ文庫JA)

 ヤガからフロリー母子を連れて脱出しようとしたスカールとヨナであったが、突如現れた異形の者達によってヨナとフロリーは連れ去られてしまう。スーティを守りつつヤガ近郊に身を潜めたスカールの前にグラチウスが現れ、ヤガがヤンダル・ゾッグに乗っ取られつつあることを告げる。助力の条件としてスーティの身柄を渡すようにと迫るグラチウスを、スカールは断固として撥ねつけた。スーティは未だ頑是無い幼子でありながら、早くも中原の命運を左右する重要な存在になりつつあった。

 なんでこのタイミングであんたらが復活すんだよーーー(涙)!!!ってもちろん7人、からマイナス2人(イェライシャとヤンダル)の5人の魔導師さんたちのことですが。面白くなりそうな要素がいろいろ出てきた直後に未刊になるなんてさ。

 この巻が出た時には栗本先生はすでに鬼籍に入ってしまわれてるんですよね……。最終巻はパロ側の話みたいだし、もう続きは読めないことが明らかとなった上でこんな感想は無意味なのかもしれないけど、まさかあのスカールまでもが(複雑な心境は抱えつつも)スーティを好きになり、彼を全力で守ろうとするなんて!むぅー、スカールが決して割り切りの悪い性格だとは云わないが(むしろ良い方です)、頑固者でもあるスカさん、仮にもイシュトの血を引く存在なんて、以前ならば最低限の範囲でしか助けるわけにはゆかぬ、ましてや好意の対象にするなど自身の節を曲げることになるとかで、内心はスーティの気質にどう感じようとも、表立っては彼に対する好印象をこうも明白にすることは無かったのではないかと……。良いタイミングでやってきたブランに対しても、彼が剣を捧げているのはあくまでもカメロンということを建前に友誼を結んでいたが、以前ならばこちらとも「状況を打開するためにやむなく手を組むだけ」とかなんとか云って契約的な関係に徹したんじゃないかとも……。そのぐらい徹底してイシュトを憎んでましたよね?何が云いたいのかというと、スカールは以前はもっと感情的にイシュトを敵視してたけど、100巻を越えたあたりから義務的に彼を憎む役割を背負っている風な感じに変わっていった印象があるんですが、どうでしょう?……やっぱり丸くなったよなあスカールは。その、様々な苦難を経て丸くなったが一方でまた別のしなやかさも手に入れたという設定が確かに美味しいのだけれど。せめてもう少し、スカール・サーガの結末まで、読みたかったよー(泣)。彼は亡くなる予定だったんですよね?