第８９回高校野球選手権大会メモ

　佐賀県立佐賀北高校、初優勝おめでとう。

　打率がどうのとか、堅守がどうのとか、勢いがどうのとか、過去に優勝した高校に付いた一通りの評価では括れない、括れるはずの無いとんでもないチームでした。こんな優勝校が２１世紀に出てくるなんて……恐るべし甲子園の神のシナリオ。

　そして広陵高校、準優勝おめでとう。素晴らしいチームでした。

　「野球の神様は、優秀な選手を集める私立よりも公立の姿勢を選んだ」などと陳腐なことを申すつもりは全くありません。選手の努力の価値は私学、公立関係なく尊いのですから。ただこの結果を受けて全国の甲子園を目指す高校、そしてこれから進学先を決める未来の高校球児たちが「甲子園に、そしてその先にある真紅の優勝旗に手が届くには（どれが正しいというものでもないが）いろんな道があるんだ」ということを感じ取ってくれたのならば、これからの高校野球はますます面白いものになっていくでしょうね。怪物が居ても居なくても、自宅通いでも県外留学でも、野球漬けの日々でも存外そうでなくても、可能性は見える。頂点への扉は開く。そんな明るい展望を感じさせてくれた、素晴らしい大会でした。