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グインサーガの92巻目を読んでみた

復活の朝―グイン・サーガ〈92〉 (ハヤカワ文庫JA)

復活の朝―グイン・サーガ〈92〉 (ハヤカワ文庫JA)

 古代機械を自爆させると脅し逆にアモンを追い詰めたグインは、機械の力でアモンもろとも何処かへ消え去った。直ちにヨナが機械の全機能を半永久的にダウンさせ、クリスタルからは魔の気配が消え去ると共に、最早ヤンダルがパロを狙う理由すらも無くなった。解放の喜びに沸く中で、ヴァレリウスは戦禍の後始末に終われ、正気に返ったレムスは幽閉される。戦いは終わった。だが豹頭王の行方は杳として知れなかった。

 不条理を受け入れる姿勢こそが生けるものの最大の強み……ある意味、そうかもしれないなあ。でもグインてば口が上手すぎるから、時々ケムに巻かれてる様な気がしないでもない(汗)。

 古代機械を自爆させられると知った途端、余裕の仮面を捨てて狼狽えまくるアモン……情けない、というより詰めが甘い?アンタ、シルヴィアをアル中に追い込むために手駒の侍女を黒曜宮に送り込んでるとか云ってなかったっけ?なんでそういうのを切り札として利用しない?古代機械に執着を見せ始めた時点で、「想像を絶する化け物」ではなく「世界征服を狙う普通の悪役」にランクダウンした感じ。もしアモンが自爆本望、そこから紡ぎ出される阿鼻叫喚こそ本懐である、みたいな破滅型悪役(一時期のナ※スみたいなw)なタイプだったら、グインは本当に古代機械を爆発させていただろうか?
 という訳で、一気に平和を取り戻したパロ。とりあえずアドリアンくんが無事で良かったよぉ~(涙)。一方で、レムスは当分……いや、下手すりゃ一生、国民の前では身の安全は保証出来ないな(汗)……ここからどうやって「パロの中興の祖」になる逆転満塁弾を放つ予定だったんですか、栗本先生!?でも(もろもろ複雑な事情があったとはいえ)当事者であるアナタが「悪い夢を見てたみたい」の一言はないわー>レムス。自分だって結構その気になってパロの魔道王ぶってたくせに。ヴァレリウスはよくあの一言の場面で我慢したんじゃないかと。
 結局イシュトヴァーンは戦いには殆ど出番が無かった(汗)……一見「しょーがねえな」風に振舞ってはいるものの、内心はかなりムカついてはいないだろうか(これもある意味「置いて行かれた」わけだし)。もしくはナリスの死の衝撃がまだ拭えておらず、自重しているか。そして、ある程度予想は付いていたが、イシュトとヨナが決定的に道を違えた。でも「友達だからこそうついて行くわけにはいかない」という、どこかしら友好的な雰囲気を残した別れであったのでまだ救われる感じ。でもそれは、もはやイシュトの傍には「友人」は存在し得ないということでもあるんだな……。

 で、竜の歯部隊の皆さんは頑固にもこのままクリスタルに居座るの!?戦後の混乱まっただ中のパロにとって、それはちょっと迷惑行為ではなかろうか……(汗)。