かんまんこうろうひ・はてなブログ編

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グインサーガの97巻目を読んでみた

 アキレウスの判断により、ノスフェラスにはゼノンとトールが赴くことになった。ケイロニアに到着したヴァレリウス率いる魔導師部隊にはグインの奇禍を知ったマリウスも同行していた。最早生き方が異なることを確かめあったマリウスとタヴィアは、互いを尊重し穏やかに別離する道を選ぶ。マリウスも含む救出軍がサイロンを発った頃、ノスフェラスではグインが記憶を取り戻すために中原へと旅立とうとしていたが、その前にラゴンのドードーが立ち塞がった。

 マリウスの救済の話……だったのだろうか?

 アキレウスさまもマリウスの生き方を認めてくれて、まあ平和的に別れられて良かったね……とは思うものの、立つ鳥跡を濁さず、とまではいかなかったかと。やれ一番大事なのはやっぱりナリスだの、残りの人生はリンダを支えるだの、やっぽり宮廷生活は合わないだの、でも妻子のことは愛してるだの(←しかし出奔中ほっとんど思い出しもしなかったよねぇ!)、さんざんふーらふらと定まらずにいた後、オクタヴィアと再会した際には(たとえどんな犠牲を払おうとも)自分は定住することのできぬ流浪の民であるとはっきり云い切ったマリウス。それはよろしい。(異論もあるだろうが)株が少し上がったと云っても良いくらい。問題はそのあと。なぜオクタヴィアに同道か別離かの選択を迫り……いや、選択を突きつけるのは話の流れとして当然だろうが、なぜケイロニア皇女としての道を選んだ彼女にこそ決裂の責任があるように言葉を仕向けるのだ?死んだナリスとなかなか対面したがらなかったのもそうだが、結局もろもろから逃げようとする姿勢は変わらないんだな……。タヴィアやアキレウスの度量の深さがあってこそ、只のダメ亭主ではなく一流の吟遊詩人として再出発出来るということをマリウスは判っているだろうか?にしてもこの男(暫くはヴァレリウスらと行動を共にするとはいえ)本当に今後一人旅なんかやっていけるのか?
 一方で、なんとノスフェラスではグインが誰に導かれるでもなく「本当に自分を取り戻すには中原に行くしかない」という結論にたどり着き足取りも確かに中原へGO!頭もかなりハッキリしてきたようで、やはりグインは幾度記憶を失ってもグインなんだなあと。……って、このままじゃヴァレさんたち救出軍とすれ違ってしまうかそれともどこかでかち合うか、どっちになるんでしょーか!?そしてそして、予想通りの流れというべきかやはりドードーはグインの出発に物凄く反抗するんやね。案の定、腕ずくの阻止に出るけれど、まあ勝負の結果は見えてるよね(汗)。

 読み方、意味を調べた漢字。綸言汗の如し、りんげんあせのごとし。汗が一度出ると再び体内に戻らないように、 皇帝の言葉は口から出ると訂正したり取り消したりすることはできないということ。碩学、せきがく。修めた学問の広く深いこと。また、その人。